数字で読み解くフードサービストレンド:茶系飲料の食機会数 9年で3%増
●紅茶は18%減
コーヒーチェーンがティーブランドを押し出し、ティー専門店をオープンしたり、コンビニチェーンが入れたての紅茶を提供するマシンを導入するなど、紅茶、お茶に注目が集まっています。紅茶やお茶の市場は拡大しているのでしょうか。サカーナ・ジャパン(エヌピーディー・ジャパンから社名変更)が提供する、外食・中食市場情報サービス「CRESTR」によると、2023年7月~24年6月計の外食・中食全体におけるコーヒー(カフェラテなども含む)の食機会数は、14年7月~15年6月を100としたとき90で、9年前比で10%減少しました。コロナ禍で外食が減少したことが要因です。近年、紅茶は、同82で9年前比18%減と、コロナ前から減少傾向でした。
一方で、茶系飲料計(日本茶、麦茶、中国茶、紅茶、ハーブティー、その他のお茶の合計)は、9年前比3%増でした。紅茶単体では、予想とは逆に、外食・中食の食機会は減少していますが、茶系飲料トータルとしては伸びています。コーヒーは、比較的40代以上の中・高年層によく飲まれるので、将来の市場縮小が心配されるため、若年層に向けて茶系飲料に力を入れるのはよいことだと思います。その際、紅茶だけでなく、お茶飲料全般としてお茶の種類・飲み方のバラエティーの提案が欠かせないといえるでしょう。
(サカーナ・ジャパン 東さやか)