アパレルに学ぶ盛り付けのヒント:初秋から“暑秋”対策にシフト

2025.07.07 557号 06面
25年春からUVカット商品を増やしたマッシュスタイルラボの「スナイデル」

25年春からUVカット商品を増やしたマッシュスタイルラボの「スナイデル」

 ●薄い生地にプラスアルファの機能性

 天候不順は、繊維・ファッション業界の悩みの種。昨年は暑すぎて秋物が売れず、今年に入ってからは低気温が続いて春物が動きませんでした。日本人にとっては、当たり前のはずの四季ではなく、“五季”になったのではないかと言われはじめました。

 五季とは、春夏秋冬に「真夏」を加えたものなのか、または新たに「暑秋」という考え方が加わるのかなど、まだ全体として定まっていません。しかし、これまで端境期と呼んでいた時期が、ただの季節外れではないとの認識は共通のものになっています。服を販売する上で猛暑や暖冬を前提にするだけでは、売り逃しの可能性が高まるため、アパレル企業は「暑い秋」と「短い冬」「寒い春」への対策を急いでいます。

 例えば、若い女性たちに人気のマッシュスタイルラボ(東京)では、2025年春夏の商品企画と販売手法を見直しました。これまで4月~6月に販売していた盛夏物を7月まで継続したのがポイントです。商品作りでは、接触冷感やUV(紫外線)カットといった機能素材を使い、カットソーアイテムなど軽衣料のバリエーションを広げました。ただ生地を薄くするのではなく、この気候だからこそヒットする商品を作ろうという試みです。

 7月にセールを行う商業施設は多いですが、年々、正価商品が売れる傾向で、今年はさらに盛夏・暑秋を狙った正価商品が注目です。

 (繊研新聞社 取締役編集局長 若狭純子)

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