低コストにこだわる必勝居酒屋メニュー(その35)おこげ
◆大手が商品化し認知度アップ 和・洋でもアレンジ自在
おこげは中華料理で鍋巴(コーパー)と呼ばれるもので、炊いた白飯を成形し、風干ししたもの。油で揚げるとあられのように膨張し、カリッとした食感になる。一般的には肉や魚介、野菜などの五目煮あんをかけることが多く、熱した油を器の底に忍ばせておき、客席であんをかけることで油が沸きたつゴボゴボとしたシズルが人気。最近では大手食品メーカーが、スナックのスープおこげとして商品化。おこげそのものの認知度は格段に上昇している。
おこげはクセがないため、料理のジャンルを問わず利用できるし、業務用として輸入・流通しているものはコストも安く、原価的にも有利なメニュー開発ができる。
中華料理的使い方としても、たっぷりのあんをかけるほか、チリソースや肉あんをのせるなどして、おこげそのものを主体として売ることもできる。
洋風にも素直にマッチする。ホワイトソース系やトマトソース系の味なら幅広い料理に使えるはずで、目先も変わって注目される。流行のスープカレーなども、おこげと組み合わせれば新しい切り口のメニューになる。
また、ディップ的に使うのも面白いし、和風としてお茶漬け風のメニューにしたり、銀あんや醤油あんをかけるなど、手軽にアレンジできるはず。
◇中華クリーム煮のおこげ
■参考原価=167円
■使用食材(1人前)
中華おこげ(市販品40g)豚ばら肉(小間切れ30g)玉ネギ(スライス30g)タケノコ水煮(スライス10g)キクラゲ(戻し6g)白菜(そぎ切り40g)赤・黄パプリカ(各5g)万能ネギ(刻み1g)中華がらスープの素(4g)砂糖(2g)エバミルク(20ml)生クリーム(10ml)塩・コショウ(各少々)サラダ油(炒め用10g)片栗粉(2g)水(80ml)
■調理方法
(1)豚ばら肉をサラダ油で炒める。
(2)白菜、玉ネギ、タケノコを加えて炒める。
(3)赤・黄パプリカを加えて炒め、水、中華がらスープの素を加える。
(4)エバミルク、生クリーム、塩、コショウ、砂糖を加えて軽く煮る。
(5)片栗粉を適量の水で溶いて加えてつなぐ。
(6)おこげを油で揚げ、熱した鉄皿にのせ、(5)のあんをかける。
(7)万能ネギを散らす。
■メニュー開発のコンセプト
人気の出てきたおこげを、中華風のクリーム煮でまろやかに仕立てた女性に売りたいメニュー。
■応用のヒント
エバミルクの代わりに牛乳を使用してもよい。
◇おこげの五彩野菜肉あんかけ
■参考原価=159円
■使用食材(1人前)
中華おこげ(市販品40g)豚ひき肉(20g)ナス(1cm角30g)タケノコ(6~7mm角20g)ピーマン(7~8mm角10g)赤・黄パプリカ(各7~8mm角8g)長ネギ(みじん6g)ニンニク(みじん3g)根ショウガ(みじん2g)甜麺醤(20g)豆板醤(8g)中華醤油(3ml)中華がらスープの素(3g)砂糖(2g)水(60ml)片栗粉(2g)サラダ油(炒め用10g)
■調理方法
(1)サラダ油でニンニク、根ショウガ、長ネギ(半量)を炒める。
(2)豚ひき肉を加えて炒め、豆板醤、甜麺醤を加えてさらに炒める。
(3)水、中華がらスープの素、砂糖を加える。
(4)ナス、タケノコ、赤・黄パプリカを油通しし、(3)に加える。
(5)軽く煮込み、適量の水で溶いた片栗粉を加えてつなぐ。
(6)おこげをサラダ油で揚げ、皿に盛る。
(7)(5)のあんをかけて、残りの長ネギを散らす。
■メニュー開発のコンセプト
パリパリとした楽しい食感のおこげに、ピリリと辛みを利かせた五色野菜の肉あんをかけた、酒がすすむ中華風つまみ。
■応用のヒント
季節によってキノコや山菜などを使うのも一法。