アパレルに学ぶ盛り付けのヒント:主役はコートよりも、カーディガン

2024.12.02 550号 06面
軽いリサイクルポリエステルを片あぜに編んだカーディガン(アダム・エ・ロペアトレ恵比寿店)

軽いリサイクルポリエステルを片あぜに編んだカーディガン(アダム・エ・ロペアトレ恵比寿店)

 ●ようやくニットの季節に

 10月と言えば、通常なら冬の訪れも感じ始める頃。ファッション業界も従来なら冬のコートなどアウターの投入に力の入る時期ですが、今年はずいぶんと様子が違いました。

 レディースファッション専門店の10月の主役は、ニットでした。コートやブルゾンの中に着るアイテムです。ニットは、少し専門的には「横編み」と言います。古くからの手編みの技術を機械化したもので、セーターやカーディンガンの類いです。

 ちなみに、「カットソー」と呼ばれるTシャツ類も、広くはニットの仲間です。「丸編み」という編み地(反物)を使うためです。織物から服を作るのと同様に、裁断(cut)と縫製(sewn)を経て作られもので、1本の糸から成形していく横編みとは区分しています。

 この1年中着られる薄手のカットソーと異なり、ようやくニットの季節が到来した格好です。一枚で様になるセーターやレイヤードで楽しめるカーディガンまで、さまざまにコーディネートできるのが特徴です。とりわけ、この10月は、ケーブル編み(縄模様が代表的)をはじめとするトラッドなセーターや、ボタンの開け方でいろいろな着方ができるタートルネックのカーディガン、シャギーのニットベストなど、さまざまなニットアイテムをコーディネートの中心に据えるスタイルが目立ちました。シャギーのほか、モヘヤ混など毛足のあるタイプが秋冬のムードを高めています。

 (繊研新聞社 取締役編集局長 若狭純子)

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