メニュートレンド:行列ができる“おにぎり食べ放題” 昼は女性客が7割
「おにぎり魚御膳」 1,600円(税込み) さまざまな副菜が並ぶ、見た目も楽しい御膳。写真手前から時計回りに、焼鮭、肉団子、鯛の炙り、小松菜のごま和え、切り干し大根、梅干し、漬物、卵焼き、豚汁、おにぎり2個。刺身と小鉢類の内容は日替わり
コメの価格高騰で、飲食店を取り巻く環境は厳しさを増しているが、逆境に負けず好調に業績を伸ばしているのが、大阪・天神橋にある「日本酒 ポニーテール」だ。ランチは“おにぎり食べ放題”で大人気、夜は日本酒と肝料理を楽しむ客でにぎわっている。
●夜は肝料理で一杯
現在28歳の女性経営者、曲田かんなさんは23歳で立ち飲み店「スタンド ツインテール」を開業し、2023年には姉妹店の同店を開業。24年12月からランチを始めると話題になり、たちまち行列ができる店になった。
ランチメニューは、多彩な副菜と豚汁、おにぎり2個の「おにぎり御膳」(1300円)をベースに、「おにぎり魚御膳」(+焼鮭、1600円)、「おにぎり肉御膳」(+近江牛タタキ、1800円)、主菜を両方楽しめる「おにぎり魚肉御膳」(2300円)の4種類。おにぎりは作り置きせず、「3回ほどやさしく握る」を徹底してふんわりと仕上げている。
人気の秘密は、おにぎりが食べ放題という、太っ腹なシステム。現在の最高食数は16個で、女性でも5~6個食べ、お茶漬けまで楽しむ人が多いそう。男性客が主体かと思いきや、女性客が7割というのも驚き。「おにぎりは、かわいくて親しみある食べ物」と曲田さんは話すが、女性にうけるアイテムなのだ。
夜は立ち飲みで営業。取材時の日本酒ラインアップは35種類で、1週間で入れ替える充実の品揃え。アテに、多様な肝料理を味わえるのも珍しい。「レバーや魚介の肝は日本酒に合う。ニーズに合わせて少量ずつ立ち飲み価格で提供し、プチ贅沢を感じてほしい」と、肝料理を推す狙いを語る。
10月には、家族やグループでもゆったりと楽しめるようにと、テーブル席を多く配置した新店舗をオープン。コース料理も提供し、集客層の広がりを目指す。「飲食店経営は、最終的に5店舗が目標。1号店は、スタッフからアイドルを作ろうというコンセプトで運営しており、アイドルのプロデュース事業にも力を入れていきたい」と曲田さん。飲食を軸に世界を広げる今後の手腕に期待したい。
●店舗情報
「日本酒 ポニーテール」
経営=ツインテール/店舗所在地=大阪市北区天神橋3-8-5/開業=23023年10月/坪数・席数=約10坪・10席(夜は立ち飲み)/営業時間=11時30分(土日祝10時)~15時、16時~23時30分。月曜のみ夜営業休み/平均客単価=昼1600円、夜3000円/1日平均集客数=昼50~60人、夜30~40人
●愛用食材・機器
「ごはんのための米油(炊飯用)」J-オイルミルズ(東京都中央区)
ふっくら炊ける
「おにぎりをおいしく食べてもらうために」と取り入れたのが、業務用の同品。炊飯時に加えることで、コメの一粒一粒が油でコーティングされて保水力が高まり、ふっくらと粒感よく炊き上がるのが特徴。「実際に食べて納得し、気に入っている商品。お客さまからも好評です」(曲田さん)と、今後も愛用する品である。
規格=1350g











