多忙でも読める外食ニュース

2025.11.03 561号 04面

 ●コロワイドグループのアトムハンバーグの新業態

 コロワイドグループのアトムは、ハンバーグカフェと名付けた新業態「おかわり!ハンバーグとまぁるいパン グリエ・ミア!」を宮城県に出店した。スキレットに小ぶりなハンバーグを2つのせた料理がメインで、個性あふれる6種類の具入りソースからひとつを選ぶ。添えられているパンは店内で焼き上げられ、食べ放題。ハンバーグも1個198円で追加できるという、オリジナリティーの高い新ブランドだ。出店は、新規開業した「イオンモール仙台上杉」の1階。

 解説=アトムはもともと寿司チェーンを展開する企業であったが、コロワイドの傘下で「ステーキ宮」などを運営する企業と統合。現在は同グループで洋食系ブランドを中心に、東北、北関東、東海、北陸エリアの店舗を運営している。

 ●古市庵プラスの新業態 ワンランク上の「梅の花」

 梅の花グループの傘下でテイクアウト業態を運営する古市庵プラスが、湯葉と豆腐の新業態「梅の花 ~雫~」を大阪の阪神百貨店梅田本店に出店。グループの主力ブランドである「梅の花」が蓄積して来た湯葉と豆腐の調理技術やアイデアを踏まえて、職人の技が生きる弁当や惣菜などのテイクアウト商品を開発した。例えば、季節の食材を使った混ぜご飯や惣菜などに、たぐり湯葉を合わせた弁当のような、従来のテイクアウト商品とは異なる上品で洗練されたアイテムを提供している。

 解説=古市庵プラスは今春、よりカジュアルなスタイルの弁当と惣菜の新業態を九州に出店している。また、グループの別会社、梅の花サービスが展開する定食店も2店舗目をオープンするなど、多店舗化を狙うブランドを開発中だ。

 ●トリドールHDが人材重視の経営改革

 トリドールホールディングスが人事制度を刷新。店長が最大で2千万円の報酬を得られる施策などを発表し、大きな話題を呼んでいる。これは、同社の創業者で経営トップである粟田貴也社長が「心的資本経営」と呼ぶ経営改革の一環。「心的資本経営」とは、経産省も推奨する「人的資本経営(人材を資本と捉え、そこに投資する経営)」を同社として発展させたもの。従業員と顧客、双方の「心」を満足させることで経営の好循環が生まれるという考え方で、これにより企業の成長を目指す。

 解説=他にも、従業員の子どもは親が働くブランドの店舗で無償で食事ができる仕組みなど、いくつかの具体的な施策を発表。人材不足が続く日本では、省力化や機械化を打ち出す企業が多いが、同社は違う道を行くと宣言している。

 ●船橋「ららぽーと」フードゾーン拡大

 三井不動産グループが運営する千葉・船橋の商業施設「ららぽーとTOKYOBAY」で、2024年春から行われていた同施設の北館建替え計画1期工事が完了し、グランドオープン。この北館1期エリアでは、新たに増床された3階部分にフードコート20店舗、独立飲食店18店舗、合わせて38店舗が入居する国内最大級のフードゾーンが誕生。また、この新設したフードコートを含めて、同施設全体のフードコート客席数は合計2500席となり、これも現時点では国内最大級となる。

 解説=同施設は1981年、「ららぽーと船橋ショッピングセンター」として開業した「ららぽーと」の1号店。駅前ではない立地に、百貨店と総合スーパーという2つの核店舗をモールでつないだ米国式の「2核1モール」型で誕生。

 ●ゼットン元従業員が横領約1億7千万円

 「アロハテーブル」などを展開するゼットンの親会社アンドエスティHD(旧アダストリア)は、ゼットンの元従業員が在職時に業務上横領を行っていたと発表。財務経理部門の責任者が2020~25年にかけて約1億7千万円を着服し、隠ぺいしていたという。内部告発により発覚した。これを受けて、両社の取締役などが報酬減額、ゼットンの代表取締役会長であった鈴木伸典氏は取締役へ降格となる処分も発表された。ゼットンは22年よりアンドエスティHDの連結子会社。

 解説=ゼットンは、公園内レストランなど公共施設の店舗運営を数多く手がけており、特に近年はそうした事業に注力していた。今回の不祥事は、コンプライアンスの観点から同社の経営に大きな影響を与える可能性があるだろう。

 ●「資さんうどん」フードコート初出店

 すかいらーくグループの資さんが、「資さんうどん」として初のフードコート店舗を千葉県の商業施設に出店。2024年の年末に関東に進出してから、すでに千葉県だけでも4店舗目。同ブランドでは89店舗目の店舗となる。

 ●物語コーポレーション 海外ブランド台湾に

 物語コーポレーションが、2022年に中国でスタートしたハンバーグ専門店のブランド「肉肉大米(ローローダーミー)」を台湾に初出店。同ブランドは、中国をはじめとしてアジア各国に50店舗以上を展開する人気ブランド。

 ●おひつごはん四六時中 和カフェに一新

 イオングループのイオンイーハートは、東京・板橋の「おひつごはん四六時中」に和カフェのメニューを採り入れてリニューアル。同ブランドは環境に応じて店舗のスタイルを変化させ、だし茶漬け専門店として100店を超えるチェーンとなった。

 ●串カツ田中HD イタリアン企業買収

 串カツ田中ホールディングスは、近畿、東海、関東などでイタリア料理店「ピソラ」を展開する滋賀県の外食企業ピソラの全株式を取得し、完全子会社化すると発表。同社は「串カツ田中」ブランドに依存しない体制を目指し、M&Aを加速している。

 ●「元気寿司」上野に ダブルネーム新業態

 「元気寿司」の運営会社が、東京・上野にダブルネーム業態の「GENKI SUSHI×魚べい」を出店。海外向けブランドの「GENKI SUSHI」と国内メインの「魚べい」、双方のメニューを提供することで、国内外の利用客に対応する。

 ●モンテローザ ランチで苦渋の選択

 モンテローザは、展開する「目利きの銀次」など154店舗で、これまでランチメニューで実施していた「ご飯おかわり無料」のサービスを中止し、「ご飯大盛無料」に切り替えると発表。高騰する国産米の使用を継続するための苦渋の選択だという。

 ●「トリキバーガー」焼鳥バーガー店に

 エターナルホスピタリティグループが開発したチキンバーガー専門店の「TORIKI BURGER」。現在は、鳥貴族西日本が運営し店名表記が異なる京都の「鳥貴バーガー」1店舗のみだが、全メニューを刷新し“焼鳥バーガー”で再生を図る。

 ●「博多やりうどん」香港に初出店

 九州の私鉄、西日本鉄道の傘下にある西鉄ストアは、展開する飲食店「博多やりうどん」を香港に初出店。西鉄ストアは福岡県を中心にスーパーマーケットや飲食店などを展開している。「博多やりうどん」ブランドの店舗は現在、福岡県内に3店舗。

 ●「七味唐からし」老舗 イオンモールに出店

 長野・善光寺の門前で約290年の歴史を持つ「七味唐からし」の老舗「八幡屋礒五郎」が、長野県に新規開業した「イオンモール須坂」に5店舗目の直営店を出店。定番商品のほか、スイーツやコスメ、七味素材を使用したカレーパンやクラフトコーラなどを販売する。

 ●くら寿司の迷惑行為 「厳正対応」を発表

 「くら寿司」の山形県の店舗で迷惑行為を行う動画がネット上に拡散された。運営するくら寿司は、すぐに同店舗での対処の経緯を伝え、「厳正な対応」をすると声明を発表。回転寿司では2023年にも同様の事件が発生し、「くら寿司」は他県の店舗でも被害に遭っている。

 編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)

 http://www.eatworks.com/

 ※記事は一部の固有名詞を省略

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