メニュートレンド:焼肉店の味をラーメンで 本格コムタンスープがベース
焼肉そして韓国料理をベースに組み合わせて本格ラーメンを開発。ありそうでなかった「韓らーめん」を打ち出して注目を集めているのが、「焼肉トラジ」を母体とするフードコート店「トラジ食堂」だ。牛骨白湯スープをベースとする「コムタンスープ」に焼肉店仕込みの牛肉をトッピング。ごちそう感たっぷりなラーメンに仕上げながら、カジュアルな価格で提供して幅広い客層の支持を得ている。
●肉でバリューを打ち出す
韓らーめん商品は、赤いスープの「旨辛牛カルビ麺」と白いスープの「牛バラ肉らーめん」の2品。「牛バラ肉らーめん」のベーススープには、焼肉トラジの人気サイドメニューである「コムタンスープ」を使用。「旨辛牛カルビ麺」では、同じコムタンスープにオリジナルのコチュジャンやヤンニャンジャンなどの辛味調味料を加えて、辛味とうま味の絶妙なバランスを実現。角の取れた辛さのため、幅広い年齢層からの注文を獲得する人気ぶりで、「旨辛牛カルビ麺」と「牛バラ肉らーめん」の注文比率は2対1だ。
焼肉店が母体だけに、商品の売りは、このスープと、やはり肉。「『牛バラ肉らーめん』には専用の米国産牛ばら肉を使用していますが、90gとボリューム満点に盛り付けています。そして『旨辛牛カルビ麺』では、焼肉トラジで使用しているA4ランク以上の高級和牛カルビ肉を約50g使用しています。これを780円のカジュアルプライスで出せるのは、焼肉店を母体に持つ当店だけでしょう」と広報の梅松大輔さんは胸を張る。肉の味付けは、焼肉トラジでも使用している焼肉のたれで、肉のうま味を存分に堪能できる。
麺はちぢれのある太麺で、コク深いスープとの絡みも良好。たっぷり150gを使用しており、大人の男性でも十分満足できる。
韓らーめんと並ぶ看板商品は4品を数える石焼きピビンパ。ベーシックな「トラジの定番 石焼きピビンパ」(880円)の他、生野菜に海鮮や生ハムを加えたサラダをのせた「ドッサリ野菜の石焼きピビンパ」(980円)といったユニークなオリジナルメニューもある。また、セットメニューはライスとキムチやサラダなどが付いたものの他に、韓らーめんにハーフサイズの石焼きピビンパのセットも用意している。
「以前にも、フードコート向けにオリジナル業態を開発しましたが、ここ数年は施設でもフードコートに個性的な店を求める傾向が高まっています。今後も焼肉トラジの商品力、ブランド力を生かしながら、幅広い客層に支持されるフードコート向けの業態を提案していきたいですね」と梅松さんは抱負を語る。
●店舗情報
「石焼きピビンパと旨辛韓らーめんの店 トラジ食堂」 経営=トラジ/店舗所在地=埼玉県富士見市山室1-1313 ららぽーと富士見1Fフードコート/開業=2015年4月/営業時間=午前10時~午後9時、無休(施設に準ずる)/坪数=9.82坪/客単価=1100円
●愛用資材・食材
「生中華麺」 中西食品(東京都稲城市)
焼肉トラジでは冷麺を提供しているが、トラジ食堂ではベーシック生中華麺を採用して、より大衆的な「ラーメン」を打ち出す。麺は中西食品に特注するPB品だ。同社は各ラーメン店のPB麺製造にも積極的で、生中華麺だけでも200種類を製造。日産製造能力10万食分を誇る。
規格=1玉150g(冷蔵)