ニモ、業務用食品殺菌機を本格販売 高周波振動で内部まで殺菌

2008.03.03 339号 07面

 健康機器メーカーで日本電子工業(株)の子会社、(株)ニモ(名古屋市名東区、電話052・779・1101、三宅治社長)は1月から、特殊な高周波振動(スピン・ナノエネルギー)を利用して、食材の細胞内まで殺菌する業務用食品殺菌機の本格販売を始めた。食材を加熱したり、薬剤処理しないため、風味や栄養素が損なわれたり、人体に悪影響を及ぼしたりすることがない。また、食品のマグロの刺し身の場合で鮮度を5日延長できるので、期限切れで捨てる食品の無駄を減らすことができる。

 業務用に販売やリリースを開始し、食品メーカーやスーパーマーケットなど幅広い分野での活躍が期待される。昨年12月に食品加工業者や代理店向けに一部機器の貸し出しを始めており、「好感触を得ている」という。

 本格発売するのは「ムキン・君 SN-10」。水槽内に肉や魚、野菜など生食用食材を入れ、底部から特殊な高周波振動を照射する。食材に含まれる水分子から強力な殺菌物質の「ヒドロキシルラジカル」が生成され病原性微生物を破壊する。高周波振動を停止すると再び水に戻るため、細胞を損なうことはない。これまでヒドロキシルラジカルを生成する方法はいろいろあったが広範囲に高濃度に生成・コントロールする技術は実用化されていなかった。

 同機は(1)飲食店の調理場・厨房で使用できる(2)スピン・ナノエネルギーは殺菌する食材を通過するので、表面だけでなく内部でもヒドロキシルラジカルを生成し殺菌できる(3)パック詰め食材も開封せず殺菌できる、などの特徴がある。

 食材の表面だけでなく、食材の内部、さらにパック詰めの食品も殺菌できる。テストでは、真空パックした刺し身を殺菌処理、冷蔵保存したところ、5日経過しても食材の色は変わらず、新鮮さが保たれた(技術的な裏付けあり)という。処理時間は食材によって異なるが、約15~60分。

 将来的にはカキのノロウイルスの不活化に応用できる製品の販売を行っていく計画で「食の安心・安全」に貢献していく意向だ。

 装置サイズは幅870mm×奥行760mm×高さ900mm。1回の処理量は殺菌用水槽(深さ360mm×幅320mm×奥行520mm)に収まるもの。価格はオープン(参考売価=530万円)。

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