低コストにこだわる必勝居酒屋メニュー(その27)豚レバー
◆イメージ改善で高まる人気 新鮮みある低コスト部位 加熱し過ぎに注意
牛や豚などの内臓類は、以前と比べると食材としてのイメージが改善され、特に女性客の間で人気が高まっている。どことなく下品な食べ物というマイナスイメージはほとんど見られなくなっており、代わって、内臓類の持つ豊かな栄養効果に注目が集まった結果、ヘルシーな食材であるという新しい付加価値が生まれている。なかでも、レバーは内臓類の中でも比較的コストが安いため、利益商品も作りやすいうえ、これまであまり活用されていなかった分、商品としての新鮮な印象もある。
豚レバーは牛と比べると、やや味の濃厚さに欠けるが、その分クセがなく食べやすい。牛乳につけて臭みを緩和したり、酒類やニンニク、ショウガなどの香味野菜を使うなどすれば、一層食べやすくなる。ただし、鮮度には注意が必要で、極力新鮮なものを短時間で使い切ることが肝心だ。
料理としては焼く、炒めるといった手法が向くが、洋風にレバーペーストに仕立てたり、スモークにするのもおいしい。新鮮なものであれば生での提供ができる。刺し身カルパッチョ風のアレンジをしたり、ユッケ風に調理するのもよい。調理の最大のポイントは、火通しの加減で、加熱のし過ぎは食感が硬く変化し、おいしさが半減するので注意が必要だ。
◇レバカツの香りごまソース
ラー油で味を引き締める
■参考原価=114円
■使用食材(1人前)
豚レバー(80g)キャベツ(千切り30g)トマト(くし型15g)キュウリ(スライス10g)パセリ(少々)パン粉(12g)薄力粉(4g)溶き卵(6ml)練りからし(3g)A(豚カツソース30g、練りごま2g、ラー油2g)揚げ油(適量)日本酒(4ml)
■調理法
(1)豚レバーは40gのスライスにし、日本酒をからめて少し置く。
(2)(1)の水気をふき、薄力粉、溶き卵、パン粉を付け、サラダ油で揚げる。
(3)Aの調味料を混ぜる。
(4)皿に生野菜類、(2)を盛り付ける。
(5)(3)をかけ、練りからしを添える。
■メニュー開発のコンセプト
香ばしいレバカツに、ごまのコクと風味を加えたピリ辛ソースをかけた、パンチの効いたおいしさのボリュームつまみ。
■応用のヒント
豚カツソースの代わりに、ドミグラスソース&ケチャップでもおいしい。
◇レバーの香味ステーキ
香味野菜をアクセントに
■参考原価=98円
■使用食材(1人前)
豚レバー(80g)玉ネギ(スライス30g)ニラ(刻み3g)小玉ニンニク(1個)A(醤油10ml、みりん10ml、コチュジャン5g、砂糖2g)サラダ油(6g)薄力粉(4g)日本酒5g
■調理法
(1)豚レバーをスライスにし、日本酒をからめて少し置く。
(2)水気をふいて、薄力粉をまぶし、サラダ油で両面を焼く。
(3)小玉ニンニクはサラダ油で素揚げする。
(4)熱した鉄皿に玉ネギのスライスを敷く。
(5)混ぜ合わせたAを(2)にからめて、玉ネギの上にのせる。
(6)ニラを散らし、(3)をのせる。
■メニュー開発のコンセプト
豚レバーはコチュジャンを加えた甘辛味で調味し、ニラ、玉ネギで味のアクセントをつけた。焼酎やビールのつまみに最適。
■応用のヒント
ニンニクはスライスにして揚げたり、レバーと一緒に炒めても美味。