ニューヨーク通信 外食ビジネスの新発想(36)アジアの惣菜パン ナンパン・サンドイッチショップ

2010.01.04 367号 16面
1番人気の「プルド・デュロック・ポーク」。ポーク、ニンジンのピクルス、キュウリ、コリアンダーが挟んであり、ソースはチリ入りのマヨネーズ

1番人気の「プルド・デュロック・ポーク」。ポーク、ニンジンのピクルス、キュウリ、コリアンダーが挟んであり、ソースはチリ入りのマヨネーズ

アメリカ人にも人気を呼び、メディア情報や口コミで、連日行列ができている

アメリカ人にも人気を呼び、メディア情報や口コミで、連日行列ができている

 ◆香ばしいパンに挟まれたエスニック料理 レモングラス、コリアンダーなどハーブもたっぷり

 行列のできるユニークなサンドイッチ店がニューヨークに登場した。日本人の口にも合う惣菜パンの店、「ナンパン・サンドイッチショップ」だ。欧米のサンドイッチとはまったく異なる、アジアのエスニックなサンドイッチは、かなりのインパクトがある。しかし、おいしいものは万国共通、アメリカ人にも人気を呼び、メディア情報や口コミで、連日行列ができている。(外海君子)

 ハムとチーズやツナといった定番のサンドイッチなどは、さすがに続けて食べると飽きる。ハイエンドのデリの焼きナスとトマトとレタスをバゲットに挟んだサンドイッチや、燻製にしたモツァレラチーズ、焼きオニオン、マッシュルームをオリーブ入りのパンに挟んだサンドイッチもしかりで、やはり、さすがに毎日食べるわけにはいかない。

 ところが、新しく誕生したカンボジアン・アメリカンのサンドイッチ店、「ナンパン・サンドイッチ」のサンドイッチは、日本人が毎日食べてもけっして飽きない惣菜パンなのだ。ちなみに、クメール語で「ナム」はパン、「パン」はサンドイッチという意味だそうだ。

 店の1番人気が、プルド・デュロック・ポークのサンドイッチ(7$50¢)。

 中に挟んであるのは、ポーク、ニンジンのピクルスとキュウリとコリアンダー、そしてチリ入りのマヨネーズ。ポークは、オレンジ果汁、リンゴ酢、ガーリック、チリを合わせたもので煮込み、はちみつでとろみを付けたもの。コリアンダーが東南アジアの風味を醸し出しながらも、どこかなつかしい味がする。パンも、香ばしく歯応えがよく、外はカリッと中がしっとりふんわりしている。このパンは、創業107年というニューヨークの老舗ベーカリー、「パリシ」製。

 2番人気が、ペパーコーン・キャットフィッシュ(7$25¢)。アメリカ人の好きなナマズをソテーしたものを挟んだサンドイッチだ。そして3番人気がココナツ・タイガーシュリンプ(7$50¢)。エビとトーストしたココナツのフレークを挟んだサンドイッチだ。

 店は、オープン当時から評判を呼び、ニューヨークタイムズ紙を始めとするメディアが一斉に取り上げた。

 共同経営者の一人は、カンボジア生まれのラサ・チャウさん。チャウさんは、ニューヨークの有名なシーフードレストラン、「ブルーウォーターグリル」でシェフとして手腕を奮ったのち、「カンプチア」というレストランをオープン、ここでお母さんの家庭料理の味を再現して作ったサンドイッチをメニューの一つとして出していた。やはり外食産業にいた大学の同窓生のベン・ディツさんが、チャウさんの作るサンドイッチに病みつきになり、2人で組んで、サンドイッチ専門店をオープンしたというのが店のストーリーだ。

 定番のサンドイッチのほか、季節代わりのスペシャルもあり、現在は、チキンのレバーのペーストにレモングラスを混ぜたものや、サバとリーキをグリルしたものにバジルのソースをからめたものなどがメニューにのっている。

 斬新なサンドイッチはニューヨーカーのうるさい舌を喜ばせ、食事時は行列のできる店になっている。

 ●事業データ

 ナンパン・サンドイッチショップ(Num Pang Sandwich Shop)/所在地=21 East 12th Street New York, New York/開店時間=月~土午前11時~午後10時、日正午~午後9時/メニュー平均単価=7~8$

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