メニュートレンド:日本初・スイーツ専用クレーンゲーム機「SWEETS on SWEETS」
デパ地下に匹敵するクオリティーとバラエティーのケーキや焼き菓子が、ショーケースならぬクレーンゲーム機の中に並ぶ「One on One」。女性に大人気のゲームセンターで、景品として供給するスイーツの個数は、1日あたり1000~3000個に達している。日本初のスイーツと遊びを合体させたクレーンゲーム機「SWEETS on SWEETS」の人気ぶりは、アミューズメント業界だけでなく、スイーツ業界にも「新しい売り方」を示唆している。
スイーツ専用クレーンゲーム機SWEETS on SWEETSを開発したのは、アミューズメント施設や100円ショップを運営するジャストワン(株)(兵庫県尼崎市)。17台が設置されたOne on One天満本店には、「スイーツを獲り」にくる人がひっきりなしに来店。お客が持ち帰るスイーツの数は、平日でも1000~1200個、土・日曜はその2.5倍におよぶ。
SWEETS on SWEETSの人気の秘密は、スイーツと遊びを合体させたアイデアはもちろん、こだわりの品揃えにある。各種マスコミで取り上げられたり、ネット販売で話題を集めている、よりすぐりのパティシエ1軒1軒を訪ね、1からパイプを開拓。各店の人気ナンバーワン商品やここでしか手に入らない限定品など、約20のタイアップパティシエから日々届くスイーツの種類は、今や50~80種を数える。
SWEETS on SWEETSへの商品提供は、パティシエ側にとってもさまざまなメリットがある。中でも大きいのは、新規出店や百貨店の催事への参加と異なり、スタッフや備品の調達がまったく不要な点。さらに商品はすべて買い取りのため、在庫ロスの心配もない。タイアップを希望するパティシエが増加しているのもうなずける。
また、5月末までの期間限定イベントとして、お取り寄せなどで人気の約30種を集めた「北海道スイーツ物産展」もスタート。新たな集客効果を発揮している。
2008年5月の誕生から約2年、SWEETS on SWEETSを追随する類似品はいまだ現れていない。「機械は開発できても、パティシエとの交渉、物流システムの構築、スタッフへの衛生面や安全面の徹底など、運営面でのコストや手間を考えるとまねしたくてもできないのでしょう」。取締役バイヤーの村平圭一氏はこう分析する。
国内外から数多くの引き合いがあるものの、SWEETS on SWEETSの設置は直営店に限る方針を固めているジャストワン(株)。5店舗目となる大阪・ATC店(2月オープン)を皮切りに、2010年は20店の新規オープンを目指す。
●店舗情報
「One on One 天満本店」店舗所在地=大阪市北区天神橋4-10-8、電話06・6352・8535/開業=2008年5月/営業時間=午前10時~翌午前0時、無休/坪数=140坪
●愛用資材・食材
「特注品ボウル」 スイーツを崩さない形と構造
デリケートなスイーツは、透明ケースに入れられ、写真の特注品ボウルに収められた状態で「SWEETS on SWEETS」内にセットされる。このボウルは、クレーンでつり上げたり、取り出し口から取り出す際にどんなに傾いても、中のスイーツは傾かない構造になっており、美しいスイーツをそのままの形でゲットできる。また、見事にゲットしたスイーツは、保冷剤入りのバッグで持ち帰ることができる。
○新企画「北海道スイーツ物産展」も好評(~5月末)
「北海道スイーツ物産展」には、百貨店の催しでもおなじみの人気スイーツが集合。今後、各地のご当地イベントを企画していく計画だ。