シンギ、環境配慮の「エコウッド容器」が弁当・惣菜業界で注目
食品容器の製造・販売を行うシンギが提案する環境配慮型木製容器「エコウッド容器」が、弁当・惣菜業界で注目を集めている。原料には世界一成長が早いとされる木「シンゴン(ファルカタ材)」を使用。デザイン性と実用性を兼ね備えた設計で、価格も通常の折り箱とほぼ変わらない。09年秋に輸入を開始し、今年から本格的に販売を開始した。JRグループの駅弁容器として採用されたことで、多くの引き合いが寄せられている。
エコウッド容器は環境に配慮した木製容器。原料となるファルカタ材は、主に東南アジアに生育する。5年程度で成木になるため、資源の枯渇・森林伐採によるCO2増加のリスクが少ない。一定量の木を定期的に伐採することで、森林保護にもつながる。
収穫されたファルカタ材は現地でかつらむきにし、表面に特殊な紙をコーティングする。従来困難とされた木製容器の量産技術を確立し、日産5万個の安定生産が可能。質の高い製品を日本国内に供給できる。
エコウッド容器の特徴はデザイン性。容器を折り曲げて組み立てる際、底に“足”を付けることで高級感が増した。白く美しい木目が内容物を引き立てる。
また、容器の枠を斜めに加工処理し、従来の折り箱では難しかった積み重ねが可能になった。輸送・保管コストを大幅に削減できるため、価格を抑えることに成功した。耐水・耐油・耐熱性に優れて用途も広い。
取り扱い量は10万個を超えており、JRグループの駅弁に採用されたことで注目が高まった。4月に出展した展示会でも引き合いがあり、大手量販店での採用もほぼ決まっている。
現在は折り箱型、八角型、丸型など基本的な6種類の形状をラインアップ。デザインやサイズは顧客のニーズに合わせて変えていく。
今後は同社が強みを持つ鉄道会社へ弁当容器としての提案のほか、寿司や惣菜、デザートなど中食・外食産業へもアプローチする計画だ。