シェフの愛用食材:串揚げキッチンだん石橋本店・長澤武志店長 カンナンファーム「やまぶき」
○味が濃くしっかりした黄身 つなぎから卵ご飯まで活用
「串揚げキッチンだん」は、社長の若狭洋介さんと専務の長澤武志さんが、二人三脚で作り上げた店。調理師経験のない若い2人が、石橋本店からスタートし、現在では3店舗を経営するまでに成長している。
同店の串揚げは、大阪の一般的な串カツとは一線を画すもの。「A5黒毛和牛ヘレ肉」「フォアグラ」などの高級食材も使用し、素材を生かすために衣は薄く、あっさり感のあるおいしさが信条だ。
衣には、水と小麦粉、卵で作るつなぎとパン粉を使用しているが、そのつなぎに加える卵として愛用するのが、カンナンファームの「やまぶき」である。「丹波に住む、社長の親族からの口コミで、この卵に出合いました。狂牛病やウナギ偽装などが問題になっていた2~3年前で、より安心で安全な食材をと模索中でした」と、石橋本店の店長でもある長澤さん。
農場を見学し試食した感想は、「味が濃く、しっかりしている」という印象。以後、つなぎに取り入れ、使い方にも工夫を施し、よりサクサク感の出せる衣を実現。また、卵ご飯としても提供し、お客からも好評という。
「試行錯誤を続けながら作ってきた店。よい食材との出合いも大切にしながら頑張りたい」。北新地店は、ミシュランガイド2011で星1つを獲得し、5月には、パリにも進出予定。パワフルな挑戦に今後も注目である。
◆食材紹介:「やまぶき」
(有)カンナンファーム(兵庫県丹波市春日町栢野17)
「昔懐かしい、健康的なおいしさ」を目指し、餌から見直したこだわりの卵。餌の主原料には、食用の非遺伝子組み換え丸粒トウモロコシを個人輸入し、農場で粉砕。その他、化学タンパク質や合成着色料などを含まない、約20種類の餌を自家配合して与えている。透明感のある卵白、しっかりした黄身が特徴。
◆Fモトアキラ(株)専務取締役、串揚げキッチンだん石橋本店・店長 長澤武志氏
ながさわ・たけし 1977年大阪府生まれ。水泳インストラクターを経て、同級生の若狭社長とともに、2004年に串揚げキッチンだん石橋本店を開業。飲食業未経験ながら、芦屋の有名店で修業し指導を受けるなどで経験を積み、同店の味やスタイルを作り上げる。
◆店舗情報
経営=Fモトアキラ(株)
○串揚げキッチンだん石橋本店
所在地=大阪府池田市石橋2-1-8
○十三店
所在地=大阪府大阪市淀川区十三東2-9-14
○串かつ凡 北新地
所在地=大阪府大阪市北区堂島1-3-16