近代メニュー革新!繁盛レシピ研究所:アイビーハウス「ゴールデンカレー」

2011.05.02 386号 16面
「シンプル、鮮度、バランスが肝心」と言う明瀬励児店主

「シンプル、鮮度、バランスが肝心」と言う明瀬励児店主

 「ゴールデンカレー」は、愛媛県松山市のご当地カレー。正しくは、合併前の旧・北条市のドライブインで生まれた地域限定のマイナーカレーだ。早い話、白飯に薄焼き卵をのせ、カレールウをかけた、シンプルな“オムカレー”なのだが、鶏がら・豚骨ベースの優しい味わいとユニークな見栄えをセールスポイントに、発祥から30年間、地域の幅広い層から親しまれている。

 そして昨今、ゴールデンカレーをまねする店が現れたり、ブログでの紹介が増えるなど、徐々にご当地グルメの輪郭を出し始めている。

 ◆発祥と展開:40年前、今治の喫茶店で誕生 元祖は「クラブハウス」で健在

 約40年前、今治市内の喫茶店「ぶどう家」の店主、明瀬励氏が考案した。1981年、明瀬店主はドライブイン「アイビーハウス」を出店し移転。2003年、甥の明瀬励児氏に店を譲り、明瀬励氏は新たに「クラブハウス」を出店。両店ともにゴールデンカレーを名物に地元常連客をつかんでいる。

 ◆特徴と調理:薄焼き卵を引き立てる濃度 ライト感覚で二重のおいしさ

 丸型で成形した白飯を皿に盛り、卵1個分の薄焼き卵をのせ、カレールウを薄焼き卵に上がけし、玉ネギスライスとパセリみじんを添えれば完成。これを基本に、チキンカツ、ポークカツ、エビフライなど、好みのトッピングを追加できる。カレールウのレシピ詳細は、別掲(料理写真左横)の通りだ。

 材料と調理方法がシンプルなだけに、スパイスの鮮度感が際立っても、味にくせがなく、あっさりとして食べやすい。また、シャバシャバに近いライト感覚の濃度なので、トッピングの持ち味も引き立ち、二重のおいしさを楽しめる。

 明瀬店主は、「薄焼き卵のマイルドな味わいを引き立てるカレールウの濃度が決め手」と秘訣を語り、「30年間、同じレシピを守り続けているので、『この味に慣れてしまった』というお客さまが多いですね」という。

 ◆営業の概況:来店客の8割が注文 地元限定から観光名物に

 松山市と今治市の中間、国道196号線の海沿いに立地。周囲をがけと海に挟まれた、絵に描いたような典型的ドライブイン。客層は常連客が半分。集客は平日60~70人、休日120~130人。来店客の約8割がゴールデンカレー(トッピング追加を含む)を注文するという。

 かつては、旧・北条市の地元民だけが知る名物だったが、最近はWeb上のブログで紹介されることが増え、周辺地域からの一見客も増えているという。

 ●店舗情報

 「アイビーハウス」 所在地=愛媛県松山市浅海原2-3/営業時間=午前11時~午後11時(火曜日は午後4時)/敷地・店舗坪数・席数=400坪・100坪・80席

 ■ゴールデンカレーの調理法

 (1)丸型で成形した白飯を皿に盛る

 (2)焼きたての薄焼き卵を鍋から流しかぶせる

 (3)濃度の薄いカレールウをかける

 ■カレールウの作り方

 (1)鶏がら3kg、豚骨5kgを約50リットル寸胴に入れ、水を加えて約4時間炊き出し、カレールウのスープベースとする(2)愛媛県産の完熟玉ネギ10kg、ニンジン1kg、ジャガ芋500gをみじん切りにして、よく炒め、冷ましてミキサーにかける(3)(1)に(2)を加え、炊き合わせる(4)スープをこし、独自配合したカレースパイスを加え合わせる。

 1回の仕込みでスープは約200人前。具材は100人前。これらを3~4日で使い切るようにローテーションで仕込み、毎朝ブレンドして提供する。

 ◆エバラで再現!模擬レシピ

 「がらスープスタンダード」と「マドラスカレーフレーク」を使ってやってみよう!

 ■作り方

 鶏がらスープ、豚骨スープの代わりに湯で割った「がらスープスタンダード(骨肉湯)」を使い、「マドラスカレーフレーク」で調味する。野菜の扱いは料理写真左横のレシピ同様。

 ■ 使用食材

 「がらスープスタンダード(骨肉湯)」 くせなく使いやすい標準タイプ

 豚骨、鶏骨、鶏肉を主体に炊き上げたスタンダードスープ。料理のコク付けにも最適。スープベースとして使用する場合は20~30倍希釈。追い足しの場合は40~60倍希釈。

 規格=1kg

 「マドラスカレーフレーク」 懐かしいベーシックな味わい

 ベーシックでありながら香り高いカレールウ。使いやすいフレーク状なので大量調理に適している。

 規格=1kg(約50人前)

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