アポなし!新業態チェック(62)「ウェンディーズ」表参道店
●米ウェンディーズの再上陸 元ドミノ・ピザ経営のヒガ社と提携、高級バーガー路線で勝負
ウェンディーズ・ジャパンは昨年末、東京・港区の表参道に日本再上陸となる1号店をオープンした。
同社は、米国の大手宅配ピザチェーン店「ドミノ・ピザ」を日本に導入し、成功を収めたヒガ・インダストリーズと米国のウェンディーズ・カンパニーとが業務資本提携し設立された新会社だ。米ウェンディーズ社は、世界第3位のハンバーガーレストランチェーンとして、世界中の26の国と地域で6500店舗以上を展開しているグローバル企業。ウェンディーズは1980年に、当時外食事業の多角化を進めていたスーパー大手のダイエーと契約し日本に初上陸した。その後、ダイエーからゼンショーへと契約は移ったが、2009年の暮れに契約更新を行わず日本市場から撤退した経緯がある。
ヒガ社は、ドミノ・ピザの日本展開における経営者、アーネスト・M・比嘉社長の手腕が評価され、日本への再上陸を計画していたウェンディーズ社との提携が成立。日本のトレンド発信地である表参道に1号店を出店し、ハンバーガーやサラダの他、「ウェンディーズチリ」(レギュラー290円)や「フロスティ」(レギュラー240円)など、懐かしいメニューも復活した。また、特製のフォアグラテリーヌをのせた「フォアグラ・ロッシーニ」(1280円)など、日本だけでしか味わうことのできない4種類のスペシャルハンバーガーを「ジャパンプレミアム」としてメニューに掲げている。
同社は今後、首都圏を中心に出店、その後全国展開を予定しており、5年で100店舗という出店計画を発表している。
★けんじの評価
「ウェンディーズが表参道に出店」と聞き、「ずいぶん家賃の高いところに出店するものだ、大丈夫だろうか」と心配した。しかし、表参道ヒルズの向かいとはいえ路地を入った物件であり、しかも客席は地下という店舗。なかなか戦略的な出店だ、と思わずうなってしまう。
地下の客席へは1階店内からと、外の独立階段の2ヵ所からアプローチが可能。他の立地ならば地元の悪ガキどものたまり場になるような店舗だが、さすがに表参道でそれはないだろう。ジャズボーカルなどが流れる客席は、かなりハイレベルな内装デザイン。ベンチシートの背が、色も質感もまるで違う4種類の素材を使って構成されていたり、床もカーペットとフローリングで張り分けられていたりと、従来のファストフードとは違う大人の雰囲気だ。
比嘉社長はあるインタビューで、「スターバックスに負けないラグジュアリー感のある店作り」といったことを述べていたが、確かにファストフード店としてはかなりデザイン性が高い。ただ、壁面ベンチシートが多く、レストランという空間を表現しきれていないようにも思える。もう少しカフェ風でもよかったのでは。
開業から1ヵ月に満たない平日の夕方に訪れた。すでに日も落ちてきた夕方の5時頃、空席が目立つ店内にちょっと拍子抜けしていたが、30分もたたないうちに、次々と来店客があり、あっという間に満席に近い状態になった。懐かしい味のチリやフロスティだが、以前よりもポーションが多いようで食べきれない。久々に、2号店、3号店が楽しみなチェーンが登場した。
(外食ジャーナリスト 鷲見けんじ)
◆鷲見けんじ=外食チェーン黎明期からFFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウォッチャー。
●店舗情報
開業=2011年12月27日/所在地=東京都渋谷区神宮前5丁目8-7














