メニュートレンド:黒く輝くビッグなギョウザ 「まっくろな大黒餃子」

2012.04.02 397号 02面
白黒餃子は4個540円、6個810円。どちらも味をしっかり付けているので、最初はそのまま味わい、次は自家製の食べるラー油を加えて食べるのを薦めている

白黒餃子は4個540円、6個810円。どちらも味をしっかり付けているので、最初はそのまま味わい、次は自家製の食べるラー油を加えて食べるのを薦めている

恵比寿駅から5分ほど歩く繁華街を抜けた一角。近隣に勤めるビジネスマンや住民が主客層。店内はカウンターを設えている

恵比寿駅から5分ほど歩く繁華街を抜けた一角。近隣に勤めるビジネスマンや住民が主客層。店内はカウンターを設えている

 東京・恵比寿は、ファッショナブルな店だけでなくアパレル企業なども多く、トレンドに敏感な人が集まる街。白と黒のコントラストが斬新な出で立ちで、常連客たちからは「パンダギョウザ」と親しまれるメニューで人気を博している中華ダイニングが「ちょもらんま恵比寿西口店」だ。常連客が知人を驚かせたくて連れてくることもしばしばという。まさにお客がお客を呼ぶ名物メニューだ。

 ◆白と黒でパンダギョウザと愛される

 同店は2010年9月に業態転換するかたちでオープン。料理人が作る中華料理が楽しめるダイニングだ。オープン当時は白いほうの「びっくり餃子」だけだったが、ギョウザを名物にするにはさらなるインパクトが必要と考えたのが、真っ黒なギョウザを開発することだった。

 「もともとの原材料に竹炭の粉を練り込んでいますが、ギョウザの皮にするのが難しく、何度も試作を繰り返しました」と料理長の天野拓さんは振り返る。竹炭の粉にはもともと結着力がない。竹炭の配合が多いと生地がまとまらないし、少ないと艶やかな黒い皮にならない。加水の加減も、食感や色艶に大きく影響するためコンマ数%の微妙な調整が必要だったという。

 「まっくろな大黒餃子」は単品でも食べられるが、違いが楽しめる白黒餃子が人気だ。中に詰めるあんも白と黒とでは変えて個性を打ち出す。「白は野菜のうま味を引き出した塩味で、黒は醤油味だが具材は牛肉7対豚肉3の合いびき肉と玉ネギを少しだけ。肉のうま味を存分に味わっていただけます」と天野さんは顔をほころばせる。かむと肉汁がほとばしり、粗びきブラックペッパーの香りが弾けて、口いっぱいに肉を食べている幸福感に満たされる。

 1個の大きさが70gというビッグサイズもインパクト絶大。4個入りの単品で合計280gとレストランのハンバーグに置き換えても2人前を超える。大きいのでしっかりと加熱するが、竹炭入りの生地は弱く、調理には注意が必要だ。

 その他のギョウザメニューも開発し、一時は8種類ほどにも増えたが、現在は5種類に減らした。「インパクトを追い求めるばかりではいけない。料理人が作るおいしい中華料理という面もしっかりと打ち出していきたい」と愛され続ける店づくりを目指す。

 ●店舗情報

 「ちょもらんま恵比寿西口店」 経営=際コーポレーション(株)/店舗所在地=東京都渋谷区恵比寿南2-2-7、電話03・3719・0061/開業=2010年9月/営業時間=午前11時半~午後11時(水・木・金~午後11時半)、無休/坪数・席数=81坪・94席/客単価=3000円

 ●愛用資材・食材

 「李錦記 四川豆板醤」 (株)大栄貿易公司(東京都千代田区神田神保町)

 同店の隠れた名物が自家製の食べるラー油だ。くせになる味はギョウザはもちろん、麺類、ランチのご飯、冷菜などあらゆる料理で利用されるため、毎週10リットルという単位で仕込んでいるほど。その食べるラー油に使われているのが同商品。同店の経営母体である際コーポレーションは300店以上展開し、李錦記の商品使用量は日本有数オイスターソース使用量日本一を誇る。同社が要望して鮮やかな赤味にリニューアルされたのが同商品だ。

 規格=1kg(常温)

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