惣菜弁当の殿堂(2)みやぎ生活協同組合「はらこ飯」 地元ご用達の隠れた逸品

2012.10.01 403号 08面

 サケとイクラの「はらこ飯」は、宮城県亘理町の郷土料理。サケの切り身を醤油、酒、砂糖などの割り下で煮込み、その煮汁でご飯を炊き、炊きあげたご飯に、サケの切り身を醤油、酒、砂糖などの割り下で煮込み、その煮汁でご飯を炊き、炊き上げたご飯に、サケの切り身とイクラをのせたものだ。かねて駅弁で有名だが、昨今は食品スーパーでも多く採用されている。その先駆けが、みやぎ生活協同組合のはらこ飯だ。発祥は同社に寿司部門ができた約20年前。以来、伝統に忠実な調理と、お客の指摘に応えたユニークな包装が支持され、隠れた名物となっている。観光グルメとは無縁だが、地元で長年愛され続けているご当地逸品である。

 ●調理概要:切り身と煮汁をPB化

 主に北海道の秋サケを使用。煮込んだサケの切り身、ご飯を炊くサケの煮汁は、PBキット化されている。各店でご飯を炊きあげ、サケとイクラを盛り付ける。分量はサケ(40g)、イクラ(15g)、ご飯(200g)。スモールサイズはその7掛け。

 ●販売実績:上位確実のロングセラー

 販売は8月のお盆前から10月末まで。本来の旬は10月からだが、帰省客に味わってもらうため前倒ししている。日販は全42店舗で約1000食。惣菜部門で必ず上位3品に入る人気ぶりだ。

 「通年、確実に売れます。以前は2月末まで販売してました。でも、はらこ飯に依存するとマンネリ化するので、旬の期間に短縮してます」(寿司部門・吾妻大氏)

 ちなみに不動の1位は、季節ネタを握った「生寿司」(698円)で、日販は約1200食。

 ●ポイント:イクラの隔離は理論的な配慮

 小容器に隔離されたイクラがポイント。レンジアップするとイクラが白濁・劣化するため、小容器を外してレンジアップし、その後、イクラをトッピングする仕組みなのだ。発売当初、お客から指摘されて考え出されたという。かつては標準化されていたが、昨今は時短の要望もあり、小容器を使うか否かは、各店の判断に任されている。

 ●組合概要:みやぎ生活協同組合

 本部所在地=宮城県仙台市泉区八乙女4-2-2/事業内容=宮城県内に42店舗を有する食品スーパー。店舗事業の他、共同購入事業、文化サービス事業、受託共済事業などを展開。事業高は約1,003億円(2011年3月期)。

 ●食材・資材の決め手

 「老松特級醤油(濃口/薄口)」

 永田醸造(宮城県亘理町)

 濃口と薄口をブレンド

 地元は亘理町の老舗、永田醸造の「老松特級醤油」が味の決め手。本品は、味と香りに丸みがある、東北独特な味わいが特徴。濃口と薄口をブレンドすることで、どっしりしたコクとさっぱりしたキレを両立させている。地元の味覚を演出するのに欠かせないという。規格=1Lなど各種

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