焼肉特集2013:メニュートレンド=インパクト大のドラム缶焼肉 「ソソカルビ牛天」
大阪市中崎町に登場以来、注目を集めているのが、「ソソカルビ牛天(うしてん)」。その特徴は、ユニークな焼き方。店内にはドラム缶型のロースターが並び、焼く楽しさを演出している。焼肉市場は、男性客のイメージが強いものだが、同店では女性客が半数を占めるという。その人気の秘密を探ってみた。
●焼く楽しさ演出し女性客5割に
ソソカルビ牛天で、まず目に入るドラム缶は、ガスロースター付きの焼肉テーブル! このインパクトが、この店の魅力である。
同店を運営するのは、「BBQエンターテイメント」(大阪市)。取締役の国元紳仁郎さんによると、この焼肉スタイルにしたきっかけは、韓国への社員旅行だったとか。「現地で、ドラム缶で焼肉を提供している店を知り、日本でもやってみようと、独自に開発しました」
ターゲットは、25~35歳の女性。彼女たちの口コミでの波及を狙ったところ、開店から1年半経過した現在では、女性客が50%を占めるほどに。お客の半分はリピーターとなり、集客数は増加中という。
同店の人気メニューは、「骨付き牛カルビ」(880円)。厚めの肉質で食べ応えのある、看板メニューである。その他、「マルチョウ1本焼き」(1580円)も人気。いずれも、長いままで豪快に焼き、お客が好みの大きさにはさみでカットして味わうスタイルである。
また、味のポイントになるのが、特製醤油だれ。ソウルの有名店のたれを参考に、日本人好みのマイルドで甘めの味わいに調味。1年ほど試行錯誤しながら開発した、野菜やウインナーにも合う“魔法のたれ”という。
このたれに生ニンニクを丸ごと入れ、ロースターに乗せて煮ることで、ニンニクの風味がたれに加わり、よりスパイシーに。さらに、焼肉や焼き野菜を入れることで、どんどん味がよくなっていくのが特徴だ。ニンニクの臭みを嫌う女性には、このスタイルは不評かと思いきや、案外女性にウケたという。
また、肉をたれに入れてグツグツ煮込むと、よりジューシーにうま味を楽しめる。“熱いものを熱いたれで食べる”という、今までにない新鮮な焼肉スタイルといえるであろう。このように、驚きのあるシーンが、女性の興味をより引き付けるのである。
同店では、人件費を軽減するため、ドリンク類や水、おしぼりなども、セルフサービスで提供。メニュー面では、年に3回ほどは変更しながら、ニーズに応えていきたいという。週末は遠方からのお客も多くにぎわう半面、平日の集客が課題という同店。今後は、多店舗展開も視野に、成長を目指す考えである。
●店舗情報
「ソソカルビ牛天」 所在地=大阪府大阪市北区中崎2-1-1/開業=2011年3月/営業時間=午後5時~11時半。不定休/坪数・席数=約13坪・25席/平均客単価=3700円/1日来店客数=平日約20人、週末約40人/月商=250~300万円
●愛用資材・食材
「銀印ごま油(濃口)」 かどや製油(東京都品川区)
同店では、肉のアクセントやサイドメニューの調味料の一つとして、かどやの「銀印ごま油(濃口)」を使用している。良質のごまを丁寧に煎り上げて搾った、風味の強さが特徴で、ごま油専門メーカーならではの安定感ある味わいが魅力。
規格=1650g(常温)