メニュートレンド:串しゃぶ 鍋に串を投入する新スタイル提案

2016.02.01 443号 01面
写真は豚串盛合わせ+野菜盛合わせ2人前、巻き串盛合わせ、海鮮串盛合わせが各1人前。だしは鶏白湯のコラーゲンスープ

写真は豚串盛合わせ+野菜盛合わせ2人前、巻き串盛合わせ、海鮮串盛合わせが各1人前。だしは鶏白湯のコラーゲンスープ

飲食店がひしめく赤坂見附の繁華街の一角に立地。串しゃぶを目的に平日は女子会、合コン客でにぎわい、週末は遠方からのファミリー客も集客する

飲食店がひしめく赤坂見附の繁華街の一角に立地。串しゃぶを目的に平日は女子会、合コン客でにぎわい、週末は遠方からのファミリー客も集客する

 合コンや女子会ニーズを集客するためには、女性客のテンションが上がる“華”のあるメニューが不可欠。新たな旋風を巻き起こしているのが東京・赤坂見附の「赤坂見附 個室居酒屋 串しゃぶ てまりうた」の看板商品「串しゃぶ」だ。串に刺すことで食べやすさと彩りを演出。意外性の高い食べ方提案で口コミ客を増やしているという。

 ●食材とスープのバラエティーが鍵 女子会、合コン呼ぶ“華”アイテム

 同店は以前もつ鍋や水炊き鍋を主力とした個室居酒屋だったが、2015年6月のリニューアルを機に看板商品として「串しゃぶ」を開発。その発端はなんと「子ども」と齋藤正勝料理長は笑う。「うちの子は幼いのでお箸がうまく使えない。食材が串に刺してあれば食べやすいよなと思ったのが串しゃぶを開発するきっかけなんです」。

 もちろん子ども向けメニューとして開発するわけではない。女性受けが良く、口コミになるような商品に仕上げることがヒット商品づくりには欠かせない。「ポイントは鍋に入れる前。皿に盛り付けて提供した時の見た目の美しさでした」と齋藤料理長。そこで豚肉や牛肉のスライスを串に刺す時に球形に丸めるように形を整えたり、野菜などは松葉串を使って立体的な刺し方をするなどしてきれいに盛り付ける工夫をした。

 しかし最初の1ヵ月間は注文の入らない日が続いたという。理由は単純。「串しゃぶ」という料理を食べたことがないからだ。そこで食べ方をイラストでレクチャーしたPOPを作るなど地道な努力を重ねた結果、7月下旬にはほぼすべての客が串しゃぶを注文するまでに。その後は女子会や合コン利用のグループ客が増えたうえ、週末は人通りが激減するビジネス街の繁華街ながら日曜祝日もフリー客でにぎわうほど、口コミが広がった。

 バラエティー豊かなメニュー構成もブレークした理由だ。1人前4本の盛り合わせを1058~1382円で用意する他、単品は豚肉、牛肉、海鮮、野菜など20品を162~270円で揃える。野菜を豚ばら肉で巻いた巻き串が女性客を中心に人気だ。しゃぶしゃぶのだしは六つのバリエーションから選べる。女性客には美肌効果を期待させる「鶏白湯のコラーゲンスープ」、男性客にはラーメンスープから着想した「こだわりにんにくの味噌だし」が人気という。

 また築地市場から仕入れる新鮮な魚貝料理をはじめとする一品料理も品揃えを充実。「今までの人生の中できっと一番美味しい炙りしめさば」(お試し5切れ734円)など興味と食欲をそそるネーミングとそれを裏切らない味を提供。これも同店の人気を支える理由だ。

 ●店舗情報

 「赤坂見附 個室居酒屋 串しゃぶ てまりうた」 所在地=東京都港区赤坂3-17-10 フローレンス一ツ木ビル2F/開業=2015年6月(リニューアル)/営業時間=午前11時30分~午後2時30分、4時~翌午前1時、不定休/坪数・席数=50坪・100席/週末最大客数=200人/平均客単価=4000円

 ●愛用資材・食材

 「キユーピー ノンオイルドレッシング 梅づくし」 キユーピー(東京都渋谷区)

 クセになる梅肉の酸味

 同店の人気サラダメニュー「三種の大根を使った彩りサラダ~梅ドレッシングで~」に使用。千切りにした青首ダイコンと紅芯ダイコン他をたっぷり盛り付けてドレッシング。梅肉の酸味に鰹節の風味のさっぱりとしたうま味が淡泊なダイコンサラダを引き立てる。

 規格=1000ml×9本(常温)

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