メニュートレンド:ローストビーフのユニーク寿司 寿司-SUSHI-ケーキ
大阪・難波の「なんばオリエンタルホテル」内にある、「旬粋料理 和ぎ(なぎ)」は、ホテル直営のダイニングレストラン。同店では、昨年10月から新メニューの“寿司-SUSHI-ケーキ”を販売。日本人だけではなく、宿泊する外国人客へのアピールも狙う商品として提案している。
●お好み焼きスタイルでカットしながら食す ホットプレートを使い温かい状態で提供
「旬粋料理 和ぎ」は、朝・昼・夜ともにバイキングスタイルで営業するレストラン。和食でのもてなしを主体に、幅広い料理を提供している。夜は、“かっぽうバイキング”として、旬の素材を使用した割烹料理を多彩に用意。少人数からグループでの宴会まで、幅広いニーズに対応している。
昨年10月に登場した“寿司-SUSHI-ケーキ”は、同店が「ハレの日にふさわしい華やかなメニューを」と、開発した商品。同ホテルはアジアからの宿泊客も多く、日本食として認知度が高い“寿司”のイメージで楽しんでもらえたらと、試行錯誤を重ねたという。
完成したメニューは、リース型の「和み(なごみ)」。ローストビーフをぜいたくに使用し、ラズベリーやカシス、チャービルをあしらった形状は、まさにケーキのような華やかさ。ローストビーフとの味のバランスを考え、寿司飯にはパセリをプラスして調味している。
また、同商品は、提供方法も独特。ホットプレートの上に載せられて、ほんのりと温かい状態で登場するのだ。そして、添えられているのは、お好み焼きで使用する“テコ(コテ)”。同商品は、4~8人前なので、「皆さんで、お好み焼きのようにカットしながらどうぞ」というわけである。
温かい状態で出される寿司に、違和感がある人もいるだろうが、狙いは、「大阪には、温めて食べる“蒸し寿司”があります。このおいしさも表現したかった」(レストラン課調理主任・宝来秀樹さん)という。いわば、大阪マインドも味わえるメニューといえよう。
さらに、寿司にかけるソースとして用意されるのが、ゴマだれを加えた豆乳というのもユニーク。一見ミスマッチのようだが、まろやかな口当たりが寿司に合い、色合いも美しい。そのほか、同店では、年配客の需要にも備え、鮮魚をあしらった寿司-SUSHI-ケーキも開発。こちらは、純和風素材のデコレーションケーキである。
「バイキング主体の店なので、名物になるメニューをと開発しました。ファミリーでのお祝いの席や、ママ友会、歓送迎会などでの需要も見込んでいます」と、マーケティング課マネージャーの榊原美歩さん。外国人客にもアピールできるメニューだけに、今後の情報の広がりによる需要の伸びにも期待したい商品である。
●店舗情報
「旬粋料理 和ぎ(なぎ)」 所在地=大阪府大阪市中央区千日前2-8-17 なんばオリエンタルホテル&ダオーレ2F/運営=なんばオリエンタルホテル/開業=1996年3月/営業時間=午前7時~10時、11時~午後2時30分、5時~9時30分(最終入店)、無休/坪数・席数=約105坪・114席/1日平均客数=400人/平均客単価=夜3000円
●愛用資材・食材
「特濃豆乳(北海道)」 美盛(大阪府堺市)
大豆の風味しっかり
「和み(なごみ)」のソースとして使用するのが、堺市のメーカーが製造する「特濃豆乳(北海道)」。ポイントは、北海道産大豆の風味がしっかりと感じられる味わい。同店では、同商品を使用して自家製の豆腐なども製造しており、重要な愛用食材となっている。
規格=1kg