焼肉特集2017 飛躍する台湾焼肉(台北篇):乾杯グループ 業界初!ミシュラン一つ星獲得

2017.01.02 455号 01面
ミシュランガイド上海版で一つ星を獲得

ミシュランガイド上海版で一つ星を獲得

 2016年9月21日、ミシュランガイド上海版で焼肉店「老乾杯上海店」が、ミシュラン一つ星を獲得した。焼肉店では世界初の快挙だ。上海の数多い飲食店の中でも星を獲得したのは26店のみだ。

 「老乾杯」は、焼肉居酒屋「乾杯」など42店舗を展開する台湾の大手外食チェーン「乾杯グループ」の豪州和牛焼肉専門店業態。台湾では百貨店などに8店舗を展開し、上海店は2015年、中国進出の旗艦店としてオープンした。今回の焼肉特集では台北の「乾杯グループ」をはじめ、台中の「屋馬(うまい)」「昭日堂」といった日式焼肉繁盛店を取材した。各社の取り組みや考え方は、日本の若い焼肉店経営者に刺激になることは間違いない。

 ●中国出店加速 欧州も視野 「川下から川上」へと市場開拓

 「乾杯グループ」は1999年、平出荘司会長が大学3年生の時に創業した。平出会長は日本人の父、台湾人の母のもとに東京で生まれ育つ。高校卒業時に台湾へ留学し、そこで日式焼肉店の出店を手伝ったことが縁で、ある日式焼肉店を譲り受けることになる。これが焼肉居酒屋「乾杯」のスタートだ。「乾杯」のコンセプトは、平出会長が学生時代、日本が経済的に盛り上がっていた頃、アルバイトで体験した若者の活気あふれる居酒屋の雰囲気の再現だ。午後8時になるとDJ役の店員が誕生日や記念日のお客さまを紹介し、店内一体となって「カンパーイ」の発声で盛り上がる。この時にグラスを空けた客には同じドリンク一杯無料のサービス、またカップルの客がキスをするとカルビ一皿サービスなどの参加型イベントで若い世代を中心に人気の繁盛店。現在16店舗を展開している。

 そして、「乾杯」世代が、少し年齢を重ね、ゆったりと落ち着ける空間の提供を目的に2005年、高級焼肉業態「老乾杯」を出店した。当初は苦戦したが、09年に新光三越に出店すると、認知度が高まり一気に繁盛店となる。

 人気の一つは牛肉の質。「乾杯グループ」では、豪州産和牛交雑牛をほぼ一頭買いで購入し、最上の部位を「老乾杯」で使用している。航空便で豪州から納入し、鮮度の高い牛肉をウエットエイジングで30~60日間熟成させて提供している。二つ目は一気に焼き上げる炭火の火力。同社では創業以来、シンポの無煙ロースターを使い続けている。平出会長は、「無煙も大切だが、シンポのロースターは火力が違う。短時間でおいしく焼き上げる。これが日式焼肉だ」と語る。

 「老乾杯」の成功は、中国進出への翼となる。2015年に上海のバンドエリアと呼ばれる観光スポットに出店する。そして翌16年、中国初のミシュランガイドが発刊され、見事一つ星を獲得する。だが、平出会長は「大衆店が多い上海で高級店として受け入れられた。また、台湾、上海では、鍋は自分で調理したいが、焼肉は従業員に焼いてほしいというニーズがあるから」と冷静に分析する。今後は、中国への「乾杯」さらに「老乾杯」の出店、欧州への出店も視野に入れているという。さらに2016年11月に念願のセントラルキッチンを開設。豪州産和牛のおいしさを伝えるために、ブロックをカットして、チルドで配送するといった精肉販売への進出も検討しているという。「川上から川下」ではなく「川下から川上」への市場開拓を見据えている。

 ●企業情報

 「乾杯グループ」 焼肉居酒屋「乾杯」16店・平均客単価750元(約2700円)、豪州和牛焼肉専門店「老乾杯」9店・同1600元(約5700円)、上海店は約9800円など豪州和牛を用いた自社ブランド店舗と、その他、ラーメン店「一風堂」8店・同270元(約1000円)など日本の有名飲食ブランドの台湾における展開店舗を含め全42店舗。

※台湾元=3.7円で計算

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