アポなし!新業態チェック(192)「大衆ビストロ コタロー」調布店

2023.08.07 534号 11面

 ●ホットランド子会社、ビストロ新業態 得意の肉料理をメインに据え、ランチにもディナーにも使える

 ホットランドの子会社で、「銀だこ酒場」「日本再生酒場」「もつやき処 い志井」などグループ内の飲酒業態を担当するオールウェイズが、東京都調布市に新業態「大衆ビストロ コタロー」をオープンした。同店は、同社グループの洋食店「カフェバーンズ」の跡にできた肉料理系の新ブランドで、ランチタイムとディナータイムの間をクローズする営業スタイル。約60席の店内にはカウンター席やテーブル席、個室などが配置され、カウンター席の一部では目の前でステーキなどを調理する姿も眺められる。

 同店のフードメニューは、モツ焼き店からスタートした同社の肉へのこだわりを打ち出したもの。ランチには、「特選ステーキ定食」(1680円)、「牛タンシチュー定食」(1480円)、「しょうが焼定食」(980円)など肉料理を中心に、カレーやハヤシライス、オムライスなどを含めて10品を揃えた。いずれもスープとサラダが付き、ドリンクセットやランチビールも用意されている。

 ディナーメニューは、前菜、サラダ、メイン、煮込み、揚げ物などのカテゴリーに分かれ、「牛タンカルパッチョ」(880円)といった肉料理の前菜や、3種類の「アヒージョ」(680円~880円)、パスタやハーフサイズのカレーも含めて40種類以上のアイテムがある。ビールは「マスターズドリーム」(580円)、ハイボールとサワーはそれぞれ10種類以上(480円~)と、“お酒も楽しめる街のレストラン”というコンセプトを実現している。(価格はすべて税抜き)

 ★けんじの評価:丁寧な料理、客席オペレーションに課題

 オープンから1ヵ月に満たない同店にランチで訪れてみた。調布駅の東口を北側に出てすぐの路地の中央辺り。並びには同社グループの店舗や中堅どころの居酒屋、ラーメン店などが軒を連ねている。

 コンパクトな店舗だが、回遊型の従業員動線など、比較的オペレーションがしやすいレイアウトに思えた。店内のカウンター席は一部円形に湾曲していて、その中に大きな鉄板焼きグリルが鎮座する。この鉄板で焼いたステーキなどが同店の売り物の一つだ。料理は丁寧に仕上げられていて、特にサイドのスープやサラダのドレッシングがおいしいのはうれしい。もっと価格が高くても、付け合わせまでしっかり作り込んだ方が満足度が上がりそうな気もする。

 オールウェイズの起源の一つは、1950年に東京・中野で創業したモツ焼き店「い志井」からスタートした、い志井グループだ。同グループはその後調布に拠点を移し、「日本再生酒場」などの新しいブランドを増やして、FC展開により100店舗以上の規模に拡大した。2021年にホットランドが同グループの「もつやき・ホルモン・焼肉」事業を譲り受け子会社化する。翌年、既存にホットランドの子会社であったギンダコスピリッツと合併した際に、社名を現在のオールウェイズと変更したのだ。

 臨店時は、サービスオペレーションのぎこちなさがやや目立った。各スタッフを動かすコントローラーがあまり上手く機能していないように感じたが、オープンからあまり時間が経っていないせいもあるのだろう。

 ◆外食ジャーナリスト・鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝  マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウオッチャー。

 ●店舗情報

 「大衆ビストロ コタロー」調布店

 開業=2023年6月5 日/所在地=東京都調布市布田1-45-6 調布東口ビル1階

 ●編集協力:株式会社イートワークス

 http://www.eatworks.com/

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