アポなし!新業態チェック(200)「まぜそば ごち麺」赤坂見附店

2024.04.01 542号 11面

 ●「ロピア」の外食新ブランド 急成長のSMグループが、独自メニュー「まぜそば」開発

 食品スーパー「ロピア」を中心としたOICグループの外食企業eatpia(イートピア)は、東京・赤坂に新業態の「まぜそば ごち麺」を出店した。同店は地下鉄の赤坂見附駅から商店街の中を歩いてすぐ、小さなビルの1階に入居した路面店だ。店内は大きなテーブルが中央に配置され、メニューの注文や配膳は店側が行うが、フリードリンクや会計はセルフでという折衷型のサービス方式となっている。

 同店が提供する「まぜそば」は、新鮮な野菜とパスタ麺のようなデュラム小麦を使用した麺を木製の器に盛り、ソース類などをかけて混ぜて食べるという独自の料理。メニューの各アイテムには味付けの違う「白」と「赤」の2種類があり、それぞれ価格も異なる。「白」はベースになる味で「赤」は唐辛子味噌などの風味を加えたものだ。

 グランドメニューは、「グリルチキンのまぜそば」(白1089円、赤1199円)、「半熟たまごのシーザーまぜそば」(白979円、赤1089円)、「ローストビーフのまぜそば」(白1309円、赤1419円)、「スパイシーポークのまぜそば」(白1199円、赤1309円)など6種類。メニューに使用されている肉や野菜などは、トッピングやサイドメニューとしても注文できる。ドリンク類にはビールやハイボールなどのアルコール類も用意され、ご飯とスープを添えたセットメニューもある。

 同社が積極的な多店舗展開を踏まえて開発したと思われる新ブランドだ。(価格は税込み)

 ★けんじの評価=多店舗化を狙えるブランドとなるか

 当初、同店を本欄で取り上げるかどうかは少し迷った。イートピアはまだ規模が小さく、知名度のある主力ブランドも存在しない企業であり、この連載の基準からは少し外れていたからだ。しかし、「ロピア」を中心としたOICグループ全体は売上げ3500億円に届こうという規模で、その急成長ぶりは流通業界でも注目を集めている。食品スーパーのグループが、外部出店を中心とした外食専門会社を傘下に持つというのは30年ぐらい前にはよくあったが、現在ではそう多くない。そうした理由から、今回は同店に臨店してみた。

 「ロピア」が業界で大きな話題となったのは十数年ほど前だろうか。筆者の記憶では、その頃、某大手商業施設デベロッパーのテナント誘致担当から、「こんど、うちの施設に出店した食品スーパーはすごいぞ」という話を聞いた。後日、視察に行ってみると、広大な精肉売場のある大型店で驚いた記憶がある。精肉店からスタートし、肉類を得意とする同グループは、現在ではさまざまな食品関連企業をグループ化して製造から販売までを内製化し、低価格と高品質を両立させようと試みている。

 OICグループの名称は「Oishii is Culture!」の略であるらしい。読み方も「オイシー」グループと読むそうだ。独自のメニューを導入したこの新ブランドが果たしてどの程度の成功を収めるのかはわからないが、同グループのパワーとスピードは、外食業界に新しい風を吹かせる可能性を秘めているのかもしれない。

 ◆外食ジャーナリスト・鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウオッチャー。

 ●店舗情報

 「まぜそば ごち麺」赤坂見附店

 開業=2024年1月16日/所在地=東京都港区赤坂3-21-8 久保ビル

 ●編集協力:株式会社イートワークス

 http://www.eatworks.com/

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