アパレルに学ぶ盛り付けのヒント:百貨店のファッション消費 5月は盛夏物が活況

2024.07.01 545号 06面
気温上昇に伴って夏物が好調(松屋銀座本店)

気温上昇に伴って夏物が好調(松屋銀座本店)

 ●インバウンドは過去最高に

 百貨店のファッション商況は、5月に入って外出機会の増加や気温の上昇で夏物の需要が活発でした。売れたのはTシャツやブラウス、サングラス、パラソル(晴雨兼用傘)などの盛夏アイテム。ラグジュアリーブランドの衣料品、ハンドバッグ、宝飾品が前月を上回る伸び率となり、円安を背景にインバウンド需要が過去最高となったようです。

 婦人服は伊勢丹新宿本店が前年同月比28%増。ジャケットやブラウスなど羽織るアイテムが好調で、ラグジュアリーブランドやデザイナーブランドの高付加価値商品が押し上げました。阪急うめだ本店は「旅行や日常使いにも着られるドレスが好調」といいます。高島屋と大丸松坂屋百貨店は前年実績を上回り、「Tシャツ、ブラウスが堅調」(高島屋)、「ジャケットやスカートが良かった」(大丸松坂屋百貨店)と夏物の動きが本格化しています。気温上昇に伴って盛夏アイテムが浮上し、「サングラスが26%増、サンダルなどの婦人靴が23%増」(伊勢丹新宿本店)、「帽子やスニーカー、サンダルが売れた」(阪急うめだ本店)とされています。

 免税売上高は阪急阪神百貨店が4倍、大丸松坂屋百貨店が3.7倍、高島屋が3.2倍、松屋が3倍、三越伊勢丹が2.7倍で、いずれも過去最高でした。ラグジュアリーブランドのハンドバッグや財布、宝飾・時計、化粧品など高額商品が大きく伸びました。松屋銀座本店は全館に占める免税売上げの構成比が55%に達したそうです。

 (繊研新聞 取締役編集局担当 矢野剛)

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