山本純子のスゴイぜ!業務用冷凍食品(73)味の素冷凍食品「フレック スペシャリテ」

2025.10.06 560号 04面
ここがスゴイ!:実は抹茶ケーキ歴37年!

ここがスゴイ!:実は抹茶ケーキ歴37年!

味の素冷凍食品「フレック スペシャリテ フリーカットケーキ 抹茶テリーヌ(宇治抹茶使用)」 規格=[485g 箱]×9×2合

味の素冷凍食品「フレック スペシャリテ フリーカットケーキ 抹茶テリーヌ(宇治抹茶使用)」 規格=[485g 箱]×9×2合

 ●ねっとり、なめらかな、和味 インバウンドもうならせる?

 海外在住の方へのお土産には、いつも頭を悩ませてきました。ジャパニーズ・ライスクラッカー=おせんべいは安心定番のはずが、塩気が強すぎてあまり喜ばれなかったり、日本が誇る工業製品、高級タオルを台湾の方々に贈ったら、後からあまり縁起の良い贈り物ではないことを知ったりといった数々の失敗を思い出します。ところが、いつの頃からか、これなら全世界どこでも間違いなし。「日本の味」と喜ばれて、おいしかったといわれるというストライクゾーンに入ってきたのが「抹茶」。特に抹茶フレーバーの菓子類は、欧米、アジア問わず、どこでもにっこりしてもらえる、らくちんチョイスお土産になりました。

 海外のカフェチェーンでもMATCHAフレーバーは人気で、日本産抹茶は品薄気味。直近のニュースによると「抹茶争奪戦」といわれるほどの現象が起きているとか。バニラ風味より抹茶味を好む高齢世代としては、由々しき事態かと心配な日々。

 さて、日本国内、あらゆるところで外国人観光客を見かける昨今。ホテル・レストランの食シーンで「抹茶」は当然ウェルカム。ホテルを中心とした冷凍スイーツ市場で確固たる人気を誇る味の素冷凍食品でも、抹茶フレーバーは注力ジャンルです。ざっと10アイテムを数える品揃えに加えて、2025年は春にさまざまな使い方ができる「絞っても固めても 抹茶ムース(宇治抹茶使用)」を発売。さらに秋には、格別なおいしさを提供する『フレック スペシャリテ』ブランドから2品、「フリーカットケーキ 抹茶テリーヌ」と、「カット済みケーキ ふわとけロール 抹茶」を新発売しました。

 どれも感心するのはその色合い。聞けば味の素グループの技術を用いて、鮮やかな色味を維持しながら、抹茶本来の苦味も感じられる品質を実現しているそうです。さすがだなぁとうなずいていたら、「フレック」ブランドの抹茶フレーバーケーキは、今も定番の「レアー抹茶」にはじまり、37年の歴史だというので、びっくりしました。

 さて、今回特に注目したいのは、前述の新商品「抹茶テリーヌ」です。ひと口食べれば、濃厚な風味の高級感。宇治抹茶を使用しているので、上品で奥深い香りと苦味が楽しめます。『重厚』と表現できる、ねっとり食感ながら、口の中でなめらか~に広がる抹茶風味。おもわず「う~ん」とうなりたくなるおいしさです。

 テリーヌというと、フランス料理の前菜メニューが思い浮かびますが、本来テリーヌとは、食材を入れて蒸したりオーブンで焼いたりする時に使う容器の名前だそうです。それは切り分けると容器の形(主に台形)になるのですね。

 新商品の「抹茶テリーヌ」は、低温で短時間焼くことで、生地に水分を残し、ねっとり食感を実現。天面には抹茶パウダーをかけていますが、ビュッフェに並べても色味の変化が起こらないよう配慮した仕立てです。「低温・短時間で焼く」とさらっと書きましたが、何度も焼成温度と時間の調整を行いながら、ベストな状態を実現するまでに相当な苦労があったそうです。

 エレガントな見た目の水面下には開発の苦労あり。場違いにも、水鳥の泳ぐ姿を想像しました。

 ●ここがスゴイ!!=実は抹茶ケーキ歴37年!

 ●商品概要

 味の素冷凍食品「フレック スペシャリテ フリーカットケーキ 抹茶テリーヌ(宇治抹茶使用)」

 規格=485g箱×9×2合

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