酪農乳業夏季特集

乳肉・油脂 2019.10.22
酪農乳業夏季特集

 ◆生乳生産4年ぶりプラス 飼養頭数は2年連続増加
 酪農乳業界の19年度は、久しぶりに明るい兆しが現れている。Jミルクによる通期の見通しでは、通期生乳生産は2015年度以来4年ぶりの増産となる見通しで、農林水産省によると昨年16年ぶりに増加に転じた乳用牛飼養頭数も、今年に入り2年連続でプラスとなった。ただし、第1四半期(19年4~6月)の生乳生産量は引き続き北海道で前年を上回ったものの都府県では割れ、トータルで微減。今年度は4月に飲用乳価改定による牛乳類の値上げがあったが、消費は堅調に推移し、これまで以上に飲用最需要期に向けては業界関係者が一丸となった適切な需給調整が必要となる。特に昨年よりも1ヵ月遅かった梅雨明け後の酷暑が生乳生産に与える影響は大きいと考えられ、暑熱対策をはじめとした「夏越え」は大きな課題だ。
 乳製品では、チーズの右肩上がりの成長など、健康面や新たな喫食シーンの提案を切り口に、各社積極的なマーケティングや新商品の効果的投入で需要創造が進む。乳業関連大手3社の第1四半期決算も、増収増益で好調なスタートを切った。
 今年はTPP11、日EU・EPAが本格的に開始された酪農乳業界にとって「国際化元年」とも呼べる年。輸入乳製品との市場競合も今後ますます進むと予想され、競争力の高い製品作りが求められる。そのためにも、マイナス推移が続く都府県の生産基盤回復・強化は至上命題であり、生産者、メーカー、関連機関・団体などが一丸となった包括的取組みが重要になってくる。(小澤弘教)