食肉加工品特集

乳肉・油脂 2020.05.25
食肉加工品特集

 食肉加工品業界では、主力のハム・ソーセージ類が量販店サイドから、ここ数年ダウントレンドと認識されるなど苦戦を強いられていたが、コロナ禍で状況は一変。業務用は低調だが、家庭用は学校休校や外出自粛による巣ごもり需要で、即食・簡便ニーズに合致したハム・ソーセージ類や、ハンバーグ・惣菜類などの調理加工品が大きく伸長している。食肉加工品生産数量の20年1~3月累計でも前年比3.5%増となっている。一方で既存主力商品のシェア争い激化による収益悪化や、物流コスト・人件費などの経費負担増といった課題は残っている。また、今回の家庭用商品の需要増について、量販バイヤーは一過性に終わると慎重だ。巣ごもり消費によって、消費者に食肉加工品の利便性やおいしさをあらためて認知してもらい、コロナ後も需要の取り込みを図る取組みや、消費者視点に立った新機軸商品の開発が重要となる。(廣瀬嘉一)