11月1日。今日は紅茶の日
11月1日は日本紅茶協会が制定した紅茶の日。 日本人ではじめて紅茶を飲んだのは伊勢の国の船主・黒屋光太夫ら3名である。海難に遭い、ロシアに漂着した黒屋光太夫らは10年間ロシアに滞在し、その間にエカテリーナ2世の茶会に招かれたと言われている。紅茶の日の日付はそれが1979年11月であったことに由来する。
未だわからないことが多い、紅茶のはじまり
緑茶は現在までに4000年以上の歴史をもっているが、紅茶のはじまりについての明確な史実はなく、中国からヨーロッパに伝わったのが17世紀の初めといわれ、「中国緑茶がヨーロッパに運ばれる時に、インド洋上で湿気と高温で自然発酵して、紅茶になった。」という説があるが、これは間違いである。
なぜならば、中国の文献からみて、リネンが茶の分類を発表した1753年頃からみると、当時、茶の樹は紅茶種と緑茶種に分かれており、その紅茶がBohea(武夷…….現在のような完全な紅茶ではない)とよばれ、ブラックの茶であったことと、また、当時輸出される茶の代表的な港は、福建省の厦門港で武夷の茶産地と直結しており、武夷茶の製法は釜炒りによるので、完全に酵素の活性を消失しているため、インド洋上であろうと紅茶が変質することはない。よって、初めからBohea(武夷)であり、ブラック・ティーであったのである。したがって、紅茶の歴史はまだ浅く350年くらいしか経ていないが、現在では世界の茶の生産量は紅茶が75%、緑茶が25%で、世界的には茶といえば紅茶である。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:日本紅茶協会 稲田信一))