10月31日。今日は出雲ぜんざいの日
10月31日は出雲観光協会が制定した出雲ぜんざいの日。出雲地方では旧暦の10月を神在月と呼び、全国から集った神々を祀る神在祭が催される。「ぜんざい」はこのときにふるまわれた「神在もち」が語源になったと言われている。日付は語呂合わせを用いて制定された。
小豆のポリフェノールをたっぷり摂れるぜんざい
かつて日本や韓国、中国では小豆は食物である前に、その美しい赤色が呪術的な意味をもち、魔除けや汚れ払いなどに用いられてきた。小豆の原産地の定説 はないが、有力な説として東南アジアといわれている。中国では五世紀に書かれた世界最古の農業書『斎民要術』に栽培法が記載されていて、古くから利用 されていたことがうかがえる。
日本には3~8世紀の間に伝来し、宮中の儀式や年中行事に利用され親しまれてきた。
小豆は煮て篩(ふるい)でこしたものが、“こしあん”(生あん)で、このこしあんをよく水洗いし、アク抜き沈でんさせたものが、“さらしあん”である。また小豆を砂糖液で充分煮てから白砂糖をまぶせば甘納豆となる。小豆はその他赤飯、和菓子原料としても需要が多く、そのため相場の激しい農産物の一つ で、赤いダイヤの別名があるのも周知のところである。
国内の生産量は、2012年産で6万8,200t、そのうち約92%の6万3,000tが北海道で栽培されている。主な種類に普通小豆、大納言小豆、白あずきなどがある。
日本食品標準成分表2010による小豆の主要成分は、炭水化物59%、たん白質20%、脂肪はわずか2%程度である。機能性成分の特徴としては、食物繊維を 多く含み100g中に17.8gとゴボウの3倍をも含む。またビタミンB1を多く含むところから、昔より脚気によい食品とされるほか、発泡性サポニンを含むので、 小豆粉はそのでん粉の洗浄効果も併せ洗髪、肌洗浄としても価値あるものとされ、美人小野小町が愛用したと伝えられている。
また、生活習慣病や老化やがんを引き起こす要因といわれている活性酸素。小豆にはこの活性酸素を除去するといわれているポリフェノールが赤ワインの 2倍近く含まれている。ただし ポリフェノールは水に溶けやすく、充分に摂取しようとするな らば、煮汁を残さず使う汁粉や 赤飯などが効果的である。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:ホクレン農業協同組合連合会 農産部 雑穀課))