海外通信 外食ビジネスの新発想(83)サツマイモを使ったスイーツ 日本の農家から直輸入

2024.12.02 550号 13面
アヤムラサキのパフェ

アヤムラサキのパフェ

紅はるかとアヤムラサキのトッピングをのせたシルキーペイストパフェ2種

紅はるかとアヤムラサキのトッピングをのせたシルキーペイストパフェ2種

鹿児島の農家から直輸入の紅はるか。糖度が高く滑らかなのが特徴

鹿児島の農家から直輸入の紅はるか。糖度が高く滑らかなのが特徴

飲み物は、ブラックセサミ(黒ごま)7$、抹茶6$、ほうじ茶6$のラテのほかに、フジリンゴ100%のジュース5$を提供している

飲み物は、ブラックセサミ(黒ごま)7$、抹茶6$、ほうじ茶6$のラテのほかに、フジリンゴ100%のジュース5$を提供している

クレームブリュレをたっぷりのせた紅はるかの焼き芋

クレームブリュレをたっぷりのせた紅はるかの焼き芋

紅はるかの焼き芋を半分に切った上にクレームブリュレをのせ、バーナーで焼く

紅はるかの焼き芋を半分に切った上にクレームブリュレをのせ、バーナーで焼く

 日が短くなり、焼き芋やふかし芋にノスタルジアをはせる季節が始まった。アメリカのサツマイモ(一般にヤムと呼ばれる)は、切り口がオレンジ色で、見た目はドライだが水分量が多く、熱を加えると滑らかになるのが特徴だという。しかし、日本のサツマイモのような、うっとりするような甘味やねっとり感がないように思われる。ポテトフライに使われているのを目にするが、サツマイモのフライは目新しいので喜ばれている。

 そこで、オリジナルのサツマイモ・スイーツを提供している「ハローヤム!」を取り上げたい。サツマイモを使ったスイーツを提供している店はここだけだ。

 使っているサツマイモは、鹿児島の農家から直輸入した紅はるかとアヤムラサキだ。紅はるかは、濃厚な甘味があり繊維質が少なく、滑らかな食感が特徴だ。一方、アヤムラサキは、名前通り鮮やかな紫色。加熱しても色は鮮やかなままだ。九州農業試験場で平成6年に生まれた。

 さて、同店のオリジナルデザート「シルキーペイストパフェ」は、コーンフレーク、焼き芋のピース、バニラのアイスクリーム、ホイップクリームを積み重ねた上にサツマイモのペーストを絞り出したもの。アヤムラサキを使ったものと、紅はるかを使ったものの2種があり、それぞれ16$。サツマイモのやさしい甘味とカリカリのコーンフレーク、ひんやりしたアイスクリームのハーモニーをたっぷり楽しむことができる。

 また、紅はるかの焼き芋にトッピングをのせたスイーツは「はちみつバター」「バニラアイスクリーム」「カスタード・ブリュレ」の3種類。ほかほかの焼き芋にそれぞれのトッピングをたっぷりのせている。各12$。

 ちょっとした工夫で、焼き芋はおしゃれなデザートになる。同店は、「サツマイモは焼いて、もしくはふかして、そのまま食べる」というだけでなく、いろいろな楽しみ方があることを再発見させてくれる。

 ●「ハローヤム!(Hello Yam!)」

 所在地=443 E 9th St New York, NY 10009

 開店日=2023年10月

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