海外通信 外食ビジネスの新発想(83)サツマイモを使ったスイーツ 日本の農家から直輸入
日が短くなり、焼き芋やふかし芋にノスタルジアをはせる季節が始まった。アメリカのサツマイモ(一般にヤムと呼ばれる)は、切り口がオレンジ色で、見た目はドライだが水分量が多く、熱を加えると滑らかになるのが特徴だという。しかし、日本のサツマイモのような、うっとりするような甘味やねっとり感がないように思われる。ポテトフライに使われているのを目にするが、サツマイモのフライは目新しいので喜ばれている。
そこで、オリジナルのサツマイモ・スイーツを提供している「ハローヤム!」を取り上げたい。サツマイモを使ったスイーツを提供している店はここだけだ。
使っているサツマイモは、鹿児島の農家から直輸入した紅はるかとアヤムラサキだ。紅はるかは、濃厚な甘味があり繊維質が少なく、滑らかな食感が特徴だ。一方、アヤムラサキは、名前通り鮮やかな紫色。加熱しても色は鮮やかなままだ。九州農業試験場で平成6年に生まれた。
さて、同店のオリジナルデザート「シルキーペイストパフェ」は、コーンフレーク、焼き芋のピース、バニラのアイスクリーム、ホイップクリームを積み重ねた上にサツマイモのペーストを絞り出したもの。アヤムラサキを使ったものと、紅はるかを使ったものの2種があり、それぞれ16$。サツマイモのやさしい甘味とカリカリのコーンフレーク、ひんやりしたアイスクリームのハーモニーをたっぷり楽しむことができる。
また、紅はるかの焼き芋にトッピングをのせたスイーツは「はちみつバター」「バニラアイスクリーム」「カスタード・ブリュレ」の3種類。ほかほかの焼き芋にそれぞれのトッピングをたっぷりのせている。各12$。
ちょっとした工夫で、焼き芋はおしゃれなデザートになる。同店は、「サツマイモは焼いて、もしくはふかして、そのまま食べる」というだけでなく、いろいろな楽しみ方があることを再発見させてくれる。
●「ハローヤム!(Hello Yam!)」
所在地=443 E 9th St New York, NY 10009
開店日=2023年10月