アパレルに学ぶ盛り付けのヒント:ベビーカーが白に?! 汚れよりも自分らしさを優先
ベビーカーやランドセルといえば、汚れが目立たないことが優先–そんな常識が消え去り、若い育児世代の間で“白”が人気になっています。背景には、ファッショントレンドだけでなく、「子どもが好きなものを選ばせたい」という価値観の変化がありそうです。
伊勢丹新宿本店では、2022年頃から白のベビーカーを販売しています。ターゲット層が白いほろのベビーカーを使っているのを知り、人気ブランド「サイベックス」の同店限定色で白いほろのベビーカーを発売。反響が大きく、現在も白系の人気が続いています。パーツも含めすべてが真っ白のベビーカーが、ストリートブランド好きのラグジュアリー層や高感度層に支持されています。「ベビーカーの進化で、スペックでの差別化が難しく、ファッション感度で差をつける傾向」が強まり、育児用品でも自分らしさを追求したい人々をとらえています。
ランドセル大手のセイバン(兵庫県たつの市)では、白系の売上高が年々伸びています。22年入学向けで、一番人気の「モデルロイヤル」の「クリスタル」シリーズから、真っ白なものを直営店と公式EC限定で発売し、この販路の同シリーズ内で3位になりました。
ランドセル商戦が過熱する中、「親が望むものを買ってしまった」との後悔が挙がり、「ミレニアル世代は子どもの意思を尊重する」(伊勢丹新宿本店)傾向が指摘されています。
(繊研新聞社 取締役編集局長 若狭純子)