漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(179)立春 豆まきと絹さや
●24節気 立春(2月3日~17日頃)
春のときめきを思わせる「立春」ですが、実際には最も寒い季節。でも、暖かい季節を期待させる日差しの力も感じます。
季節の変わり目は体調を崩しやすく、だからでしょうか、立春の前日の節分では、病気や災害などを払い幸運を呼び込む豆まきの風習があります。この豆は、粒が大きく良い霊が多く宿ると言われる大豆です。
一方、食卓でこれから旬を迎える絹さやも実は豆の仲間。大豆は「マメ科ダイズ属」で、若いうちに採取すると枝豆。えんどう豆は「マメ科エンドウ属」で、若いものが絹さやです。
名前の由来は、一説には鮮度がいい若い絹さやの表面が擦れると、衣擦れに似た音がするからと言われています。鮮やかな緑色は、お料理の盛りつけに春らしいアクセントを添えます。まさに立春にふさわしい食材ですね。
●ごうんろっきで気象うらない
五運六気・2025年(乙巳年)
客運が金運不及で火気が比較的強いうえ、客気が陽明燥金で例年より温かく過ごせそうです。
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五運は、5惑星「木(風)・火(暑、熱)・土(湿気)・金(乾燥)・水(寒)」をなぞらえた天の気。六気は、地球の地の気である「風・寒・暑・湿・燥・火」。この組み合わせで24節気ごとに巡ってくる気象と、それが私たちの身体に及ぼす影響を予想するのが「五運六気」。
◆絹さやと鶏ささみのごまあえ
彩りもよく栄養豊かな絹さやを!
エネルギー117kcal たんぱく質11.6g 塩分0.5g(1人分)
〈材料・2人分〉
・絹さや……100g
・鶏ささみ……1本
・酒……少々
・塩……大さじ1
A・いりごま(白)……大さじ3
A・しょうゆ……小さじ1
A・みりん……小さじ2
・柚子の皮……少々
〈作り方〉
(1)絹さやはヘタとスジをとり、熱湯に塩少々を入れてゆで、冷水で冷ます。
(2)ささみは塩少々をふり、酒をかけて少しおく。ラップをかけ電子レンジ(600W)で2分加熱し、余熱で火を通しながら粗熱をとり、繊維にそって手でほぐす。
(3)ボウルにAを混ぜ入れ、(1)と(2)をあえ、器に盛って柚子のうす皮をのせる。
●絹さや Snow peas
【栄養学】「さやえんどう」とも呼ばれ、ビタミンC、β-カロテン、カリウムが豊富です。豆の一種ですが、さやごと食べるので栄養豊富な緑黄色野菜です。
【薬膳学】脾(胃腸)を健康にし、体内の気の巡りをよくします。三寒四温の季節、心身の調和をとって過ごしましょう。
東京栄養士薬膳研究会 栄養士・国際薬膳師 松尾貴代(レシピも)