メニュートレンド:国産肉で羊の概念変えます!春菊を焼く新発想
「ヘルシーで美容によい」と女性が注目する羊肉だが、「においやクセがある」という印象を持たれがちな食材でもある。大阪の「ひつじや笠松」は、「羊の概念変えます」がキャッチフレーズ。国産羊肉のみを使用し、うまいジンギスカンを楽しめる店としてリピーターを増やしている。
●熟成させてうまみ凝縮
焼肉店が多い大阪でも、ジンギスカンが食べられる店は少数派。競合店が少ないとはいえ、羊肉ファンを増やす努力が繁盛店への道となる。同店は、国内の契約羊牧場から“一頭買い”で仕入れているのが特徴。店内には、その日に登場する羊肉の産地と月齢による呼び名を提示している。
「国内で流通する羊肉で国産のシェアは0.6%といわれており、希少な食材。においやクセが少ない国産のおいしさを提供したいと、各地の牧場との信頼関係を大切にしています」と、宮瀧広規店主。利用客からは、「昔食べたイメージが悪くて避けてきたが、ここで食べて好きになった」という声も聞かれるとか。
肉は、冷蔵ショーケースの“羊セラー”で熟成させる。月齢で水分量なども違うため、肉の状態に合わせて熟成度を見極めてうまみを凝縮させるという。鮮度を保つため、オーダーごとに手切りで提供する。
同店の名物メニューが、焼くイメージのない春菊と、脂ののった羊肉で楽しむ「羊の草原焼き」。肉の風味や甘い脂に春菊の苦味がマッチし、おいしさが増幅する。一度食べたらリピーターになる人が多い、春菊の新たな活用法に驚かされる品だ。
また、羊のホルモンもあり、「骨髄の白湯スープ」は、肉をさばいた後の骨を圧力鍋で炊いて作る、同店ならではの味。肉に付けて楽しむ「焼きカマンベール」も女性に人気だ。
「自分は和食出身なので、日本酒に合う和風のアテも取り入れていきたい。羊肉の肉ジャガも開発中で、焼肉店ではあまり見かけない商品を考案していきたい」と、宮瀧店主は今後のメニュー展開を語る。
●店舗情報
「ひつじや笠松」
経営=SASAYAホールディングス/店舗所在地=大阪市北区曽根崎2-5-27 ルフージュ梅田1階/開業=2023年2月/席数=36席/営業時間=17時~翌4時。無休/平均客単価=5500円
●愛用食材
「成吉思汗たれ」ベル食品(札幌市西区)
足し算不要の完璧な味
同店のタレは、「手を加えてみようと試みたが、あまりに完璧な味で断念した」(宮瀧店主)という同品。一般的な焼肉のタレよりも醤油感が強めで酸味もあり、「まかないで野菜炒めに使ってもおいしい」と活用している商品である。
規格=1.8L