ゴルフ飯特集 メニュートレンド:現場最良の独自開発を尊重
全国172ヵ所のゴルフ場を経営するアコーディア・ゴルフは、2003年のブランド創設以来、プレー環境のカジュアル化により事業拡大を推進。若年層や女性客、初心者にゴルフの門戸を開き、ゴルフ業界の存続に向けたサステナビリティを実践してきた。収益の柱の一つでもあるレストラン部門では、効率化を図りながらも現場の感覚を尊重。そのゴルフ場に見合うメニュー開発を進めている。
●女性客と若年層に向けカジュアル化
アコーディアのレストラン運営方針は基本的に定番メニューの充実だが、ゴルフ人口の新規開拓と世代交代を見据え、近年は女性向けのメニューに注力している。
櫻田穣・レストラン企画部長は「当社の運営方針により若年層と女性客が年々増加傾向。食事の嗜好は年配客と大きく変わらないが、見栄えやボリューム感には敏感。そうした要望に見合う定番メニューのアレンジにも努めている」と語る。
その象徴が「トンテキ」や「パスタセット」だ。ソテーするトンテキはパン粉で揚げる豚カツに比べ、素材の存在感が引き立ち、ボリュームと見栄え訴求にも好適。女性から支持されるパスタでは、付け合わせと盛り付けを凝らし、バラエティー感と彩りを演出。いずれも原価を抑えながら質実的な付加価値を強化している。
かたや興味深いのは、本部主導のメニュー開発ではなく、各現場が自主的に創作していること。地域性を踏まえた現場裁量を尊重している。「それこそアコーディア・ゴルフの特徴」(櫻田部長)と説く。
人手不足が叫ばれる時勢柄、厨房やホールの省力化は避けられないが、「当社のゴルフ場運営は、従業員のマルチタスク(複数業務)体制が整っており、調理業務以外のレストランスタッフは他のセクションを兼務する者も少なくない」(櫻田部長)。また、全国を5エリアに分け、さらにエリアを5~8グループに分け、1グループ約6ゴルフ場単位の会合を定期的に実施し、グループから吸い上げた要望や実績に基づき、本部で仕入れ業務を一括。仕入れリストから各店舗が使用食材を選択し、月替わりで新たな独自メニューを打ち出している。
一方、今年1月には、同業のPGM(149ヵ所)を手掛ける平和グループに加わり、両社合計321ヵ所、国内ゴルフ場の約15%を占める一大勢力が誕生した。両社の食材仕入れ先が偶然にも同じ業務用食材卸であることからも、さらなるシナジーが注目されている。
●アコーディア・ゴルフ
本社所在地:東京都台東区東上野1-14-7
ゴルフ場レストラン運営・全国172ヵ所
●愛用食材・機器
「のれんめぐり北海道産そば使用日本そば」 東洋水産(東京都港区)
北海道産の玄そばを限定使用
アコーディア・ゴルフのレストランで年間70~80万食を使用している冷凍麺。北海道産の玄そばを限定使用した風味豊かな味わいが好評。のど越しのよさを追求した食感、手切り風に仕上げた見栄えも自慢。東洋水産の「のれんめぐり」シリーズは原料・原産地にこだわり、ご当地麺メニューを手軽に再現する即戦力。
規格=200g×5個(冷凍)