地域繁盛店(宮崎)低価格メニュー編:トロピカルファーム

2002.05.20 252号 8面

大通りから少し離れた郊外にあり、周りを山や田畑に囲まれたカフェ。土台は農家で、山ではブラックベリーやスモモなどの果物を育て、畑では低農薬・有機肥料のハーブや野菜を栽培し、田ではコメを生産している。

カフェメニューは、とれたての生ハーブを使ったスパゲティ、ハンバーグ、カレーなどの洋食や、ハーブティー、ケーキ、ハーブクッキーなど。手作りにこだわるだけでなく、塩はミネラルの多いメキシコの岩塩、砂糖はカルシウムの多い喜界島のきび糖、油はイタリア産のエキストラバージンオリーブオイルと、調味料も厳選している。

低価格でこのクオリティーを提供できるのは、やはりハーブ、野菜、コメなどを自家生産している強み。味に関しても、店主宇都宮由美子さんは自信を持ってこう言う。「ハーブは、バランスを考えて組み合わせることが大事。そうすれば味、香り、色が多彩になり、ハーブティーも料理もおいしくなります」

カフェの一角はハーブ雑貨の展示・販売コーナー、続くスペースは熱帯果樹やハーブなどのガラス温室なので、満席の時も客は待ち時間を楽しんでいる。遠方からの客が多いのも、ゆっくりと過ぎゆく時間の中で、体と心を癒せる場所だからだろう。

◆トロピカルファーム(宮崎県宮崎市芳士前田一二三、電話0985・39・8054)

◆ひと言 宇都宮由美子店主

ハーブは香りがきつくて苦手という方がいますが、ここで食事をされた方は、こんなにハーブがおいしいなんて! と感動されて、またいらっしゃいます。ハーブの花などを散らして彩りをよくしているので、目で味わえるのも魅力のひとつですね。

「ここに来ると、ハーブを食べて体も元気、リラックスできて心も元気になる」とお客様がおっしゃいますよ。多くの方が気軽にハーブを楽しめるように、値段を抑えているのも人気の秘けつでしょうね。

●愛用食材 生ハーブ

ハーブには、体の調子を良くする薬草効果や、肉などの臭みを取る香草効果、殺菌効果、アロマテラピー効果などいろんな利点がある。春はロケットルッコラ、夏はバジル、秋はマロー、冬はセイジやタイムなど、旬のハーブは料理にぜいたく感をも添えてくれる。この有効なハーブをもっと身近に感じて欲しいと、ハーブ栽培・料理をメーンに。ハーブ農家を兼業ということもあり、育てているハーブは約一〇〇種類で、時期によっては出荷もする。

◆トロピカルファーム/ 宮崎県宮崎市芳士前田一二三、電話0985・39・8054

◆日替わりランチ トマトソースバジリコスパゲティ(600円)

内容は曜日別に異なり、バジリコスパゲティ、地中海スープスパゲティなど、生ハーブをふんだんに使ったスパゲティが主流。パスタのゆで汁には岩塩を使い、バジルやトマトソースのトマトなども、できる限り自家栽培のフレッシュを使用する。スパゲティには、季節のハーブや花が数種類入ったハーブサラダがセット。ランチタイムは、このランチが食べられるだけでなく、食事プラス二〇〇円でハーブティー&ハーブクッキーをつけられる。

◆ハーブおじや(650円)

レモングラスでだしをとり、自家生産米のご飯で作ったおじや。中には、タイムやバジルなどのハーブとナンプラーを擦り込んで焼いた一口大のチキンと、有精卵の半熟卵が入っている。香りをいかすため、チャイブやイタリアンパセリ、コリアンダーなどを入れるのは、テーブルへ運ぶ直前。ハイビスカスなどで漬けたお手製の漬物も、おじやにうまくアクセントを加えている。一度食べてこの味に魅了され、遠方から幾度となく訪れる人も。

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