データで見る食のトレンド(18)長野県にみる長寿の秘けつ
長野県が長寿県ということをご存じだろうか。国勢調査(平成7年)によると、男性の平均寿命全国一位、女性全国四位である。
ちなみに、男性の二位は福井、三位熊本、四位沖縄。女性では一位沖縄、二位熊本、三位島根の順となっている。
長寿を実現している長野県の特徴を探ると、
(1)お年寄り(六五歳以上)が働いている割合が、全国で最も高い(図参照)。
(2)一人当たり老人医療費が全国で最も少ない(図参照)。平均在院日数が全国最短。自宅での死亡が全国最高。
(3)地域に密着したかかりつけ医者と患者との関係が明確になっている。
(4)高齢単独世帯の割合が低い。
など、高齢者が生きがいをもって暮らし、病気になっても家族や地域が支えていることが大きなポイントとなっている。さらに、
(5)健康教育を実施し、食事の減塩運動を展開するなど全県あげて生活改善に取り組んでいることも見逃せない。
例えば、県下の飲食店では「薄味希望のお客さまは、お申し付けください」とメッセージが書かれた「減塩運動協力店」のシールを張り、消費者の健康志向にきめ細かく対応している。
古くから長野県は、味噌、漬物、塩乾物、佃煮といった塩分の多い食品摂取が多く、昭和55年には一人一日当たり一五・九gの塩分摂取量から、昭和58年からスタートした県民減塩運動により、今(平成13年)では全国平均の一二・九gを下回る一一・六gまで低下したことも長寿の大きな要因であろう。
わが国の老人医療費は一一兆円を超え、高齢化の進行とともに増加傾向にある中で、長野モデルはひとつの方向を示しているといえよう。
(諏訪東京理科大学経営情報学部教授 山腰光樹)














