第7回業務用加工食品ヒット賞・和食:ミツカン そばつゆ(ナカノス)

2003.09.11 274号 2面

○ミツカン そばつゆ(株)ナカノス

◆そら豆としらうおのかき揚げうどん

■作り方/(1)ソラ豆はゆでて皮をむき、シラウオは冷水で洗い、長ネギは斜切りにする。(2)天ぷら粉に(1)を混ぜて揚げる。(3)そばつゆ一に対し水六で希釈し加熱する。(4)ゆでたうどんを器に入れ、(3)をかけ、(2)をのせ、ワケギを添える。

◆天ぷらそば

■作り方/ (1)エビは尾を残して殻をむき、背わたを取り、腹側に数ヵ所切り込みを入れて伸ばし、衣をまぶして揚げる。(2)そばつゆ一に対し水六・五で希釈し加熱する。(3)ゆでたそばを器に盛り、(2)はり、(1)、ねぎの小口切りをのせる。

◆おそば屋さんの親子丼

■作り方/(1)鶏肉は一口大に切り、玉ネギはくし切りにする。(2)そばつゆと水を鍋に合わせ、(1)を煮る。(3)鶏肉に火が通ったら溶き卵を流し、半熟くらいで火を止める。(4)ご飯を丼に盛り、(3)をのせ、切り海苔と三ツ葉をのせる。

◆せいろそば

■作り方/(1)そばつゆ一に対し水二・五を合わせて希釈する。(2)長ネギは小口切りにし、おろしわさびとともに薬味皿にのせる。(3)ゆでて冷水でしめたそばを器に盛り、切り海苔をのせ、(1)と(2)を添える。

◆濃厚鰹だしが決め手に

そばつゆは醤油、みりん、砂糖で作った「かえし」と「だし汁」が決め手。冷たいそばにつける「辛汁」と、温かいそばにかける「甘汁」でかえしとだし汁の配分を使い分ける。かえし、だし汁、そして両者の配分が店の特徴になり、店主しか知らない秘伝の味を作る。

(株)ナカノスが〇二年9月に全国発売した「ミツカン業務用そばつゆ」(一・八リットル紙パック、一八リットル缶)は、辛汁、甘汁だけでなく丼ものや煮物まで希釈率を変えるだけで老舗のそば店に負けないプロの味が出せる。そば・うどんチェーン店や和食店、立ち食いそば店など、均質な品質・味で手早く提供できる調理スピードが求められる店が待っていた商品。発売以来、右肩上がりで売上げを伸ばしている。

開発に当たってはマーケティングと開発の担当者で全国一〇〇店以上の立ち食いそば店、老舗そば店、和食店を巡り研究したという。試作も一八〇回以上に及び、プロの調理師が満足する味に仕上げた。その甲斐があって、発売から一年足らずで「この一〇年間で一番の大型ヒット商品」(東京広報室)と折り紙付きの売れ行き。業務用つゆグループのけん引役を担っている。

同商品の特徴は濃厚鰹だし。そばつゆのコクを左右するのがだし。鰹節のうまみが十分出ているかどうかでコクが決まる。荒削りした鰹節を同社独自の“追いがつお”製法でじっくり煮込んだだしは香り・のびの良さが際立つ。こだわりの醤油がさらにだしのうまみを引き出す。

冷たいそばのつけ汁には「そばつゆ」を二~三倍の水で希釈する。温かいそばのかけ汁には六~七倍の湯で希釈するだけ。丼物は四~五倍、煮物は七~九倍、煮込みうどん・鍋物は一〇~一一倍、おでんは一四~一五倍に薄めて使えばプロの味付けができる。そのまま納豆・冷や奴にかけても合う。一本でさまざまな和食メニューに対応できるため、厳しいコスト競争時代の強い味方でもある。

今後は業務用つゆグループのメーン商品である「追いがつおつゆの素」との二本柱で拡販に取組む。ナカノスは今期「和食応援企業」をスローガンに問屋、外食店(専門店・ファミリーレストラン・居酒屋など)、中食店(スーパー・CVS・百貨店など)に積極的な新商品・メニュー・販促の提案を行っている。伝統的な食を継承し「深化」させながら、新しい食を創造する「進化」への挑戦は続く。

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