すかいらーく、「ガスト」復活へ プレミアムカフェ舗導入でテコ入れ

2005.10.03 306号 4面

(株)すかいらーく(東京都武蔵野市、電話0422・51・8111)は下期、全業態の中でも苦戦しているグループ売上げの3割強を占める「ガスト」を新ドリンクバー「プレミアムカフェ」や新リニューアル店舗の導入拡大によって、客数減による既存店前年度比の本格回復を目指す。伊東康孝社長は「カフェより根源的な大衆食堂に近いカフェレストランを目指し、そのシンボルとしてドリンクバーを一新。プレミアムコーヒーを導入してドトールやスターバックスの客層も取り込みたい」方針だ。

平成5年、1630店舗のFR「すかいらーく」をカジュアルダイニングというコンセプトのディスカウントFR「ガスト」に転換し、現在1040店舗を数える。しかし、「10年が過ぎてディスカウントFRも陳腐化してきた」(伊東社長)と判断、ガストのコンセプトから見直していく。

モデルチェンジは、新ドリンクバーを年内400店、新リニューアル店舗年内40店、カフェをコンセプトにしたオープンキッチンタイプ年内30店舗を50億円投入して導入する。

新ドリンクバーは、写真でプレミアムカフェをアピール、コーヒー豆の品質向上、新コーヒーマシーン導入、果汁100%のオレンジジュース、カルピス、アクエリアス、ソイラテの新商品導入、日替わり冷茶導入で、単品価格320円(現行280円)、料理とのセット180円(同120円)で、客単価20~30円アップを狙う。

新リニューアル店舗は、白基調の内装で外観の照度をアップして夜間認知度を上げ、分煙パーテーションによる居住性をアップ。プレミアムカフェ標準装備、ゆで麺機導入でパスタ類の品質をアップする。

オープンキッチンタイプの実験店舗は新リニューアル店舗が基本で、オープンキッチン導入による開放感の演出、ユニフォームの変更、商品の絞り込みと品質アップ、手ごねハンバーグを鉄板でのシズル感演出で、作業体系の構築・生産性の向上を課題に残しながらも売上高20%アップを目標とする。

また、グループ売上げ14%のジョナサンも、ダウンタウンから都市型のアーバン型コーヒーショップにモデルチェンジを図る。

グループで好調な業態は16ヵ月対前年同月比既存店売上げプラスの夢庵で、上期は既存店客数が前年比5・7%増、日商を同5・0%増で推移した。商品のブラッシュアップが奏功した。グラッチェも、グリルメニューを拡充した結果、家族客やランチの男性客が増加し、既存店売上高が1月の7・1%減から6月には5・5%増と大きく改善した。このほか、ブッフェ業態のニラックス、洋惣菜のフロ、クイックサービスのSガストも好調だ。

しかし、同じ惣菜でも和惣菜の八福は生産性・収益性改善が進まず、不調。「イートインとテークアウトの併用で集客している。テーブルレストランはもともと得意分野だが、テークアウトを商品にこだわりすぎて待たせてしまうなどバランスの見直しが必要。大型ショッピングモールへの出店だが、予定の集客が未達ということも響いている。得意な独自に集客するフォーマットと手段が異なっているのかもしれない」(伊東社長)と、苦戦している。

今後大きな成長を期待しているのが讃岐うどんで、うどんの自家製に成功したことから讃岐うどん業態の進化を発信していく。

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