電化厨房特集:インタビュー=中澤建也・DSP社長 電化厨房に限る中食改革
「中食の厨房は電化厨房システムに限る」。中食コンサルタント・(株)デリシステム・プランニングの中澤建也社長は、こう断言する。同氏は、西友フーズの総菜部長を皮切りに中食一筋30年。惣菜チェーン「若菜」を事業化するなど、中食経営の第一人者として知られ、電化厨房の先駆者でもある。中澤社長に電化厨房の優位性について聞いた。
●電化厨房に限る中食改革 厨房改革が中食の明暗を分ける
‐‐電化厨房が中食事業に最適な理由は。
中澤 まず、量販店の惣菜販売のレベルアップに最適です。
熾烈極まる競合を勝ち抜くためには、メニュー開発以前に「経営効率のアップ」「作りたての提供」など基礎改革が不可欠。現状はそれらをおろそかにして、メニュー開発ばかりに気を取られています。
惣菜はとてもシビアなビジネス。ロス率、値引きなどを加味すると、惣菜単体での経営は難しい。いわば、量販店の惣菜売場の実態は“客寄せ”にすぎません。今後、惣菜単体で利益を捻出するためには、厨房改革が最優先。その有効手段が電化厨房なのです。
‐‐どのように有効ですか。
中澤 使い勝手よい厨房レイアウトで作業動線を効率化、熱源の数値コントロールで調理技術を標準化、ドライ厨房で衛生管理を徹底、など数多くあります。
とくに直火の削除は大きなメリットですね。直火は室温を著しく上昇させるほか、労働災害にも直結します。そのような労働環境では、良い人材が集まりません。昔と違いますから。
「良い人材を集め」「長続きさせる」。それがレベルアップの近道であり、経営改革の王道です。実現には電化厨房が不可欠です。
‐‐電化厨房のコスト面については。
中澤 イニシャルコストは確かに高い。しかし、ランニングコストと労務管理のメリットが十分にあります。まったく問題ありませんね。
‐‐その実践をサポートするためにDSPを立ち上げた。
中澤 その通りです。これまで培った現場のノウハウを基に、中食ビジネスに携わる人材の育成を支援しています。もちろん当社の教育センターも電化厨房です。
‐‐ありがとうございました。
◆プロフィル
なかざわ・たてや=1967年東京水産大卒。(株)西友ストアー、(株)西友フーズを経て92年(株)若菜の代表取締役に就任。惣菜店「若菜」をチェーン展開し、450店舗・年商450億円の事業に育て上げる。2003年(株)デリシステム・プランニングを立ち上げ独立。中食事業の総合指導を手掛ける。
◆(株)デリシステム・プランニング(通称・DSP)=中食事業の経営改善指導、プランニングを手掛ける。30年間の現場実績に基づく経営管理手法、小売から生産までの各種マニュアル、品質管理システム、データベースなど、ソフト&ノウハウをトータルで提案している。(本社=東京都渋谷区南平台町12‐13‐709号、電話03・5459・6268/教育センター=東京都台東区台東3‐41‐4、加藤ビル5~6階、電話03・5688・7030)