売れるメニューのヒント:弁当編(2)

2006.08.07 317号 9面

○ブランド薬味で低コスト差別化

◆豚生姜焼肉弁当

ヤオコー大宮蓮沼店/埼玉県さいたま市見沼区大字蓮沼506

444g/550円

内容:豚ショウガ焼き、味付け卵、きんぴら、漬け物、レタス、モヤシ、白飯、マヨネーズ。

見所:「豚肉のショウガ焼き」といえば、おかず料理の人気定番なだけに、他店との差別化が重要だ。だが、ブランド豚肉で差別化を図ると原価が大幅にアップしてしまう。そこでこの「豚生姜焼肉弁当」は、ブランド薬味「香り高い高知産のショウガ」で差別化を図っている。しかも「お好みでマヨネーズを付けるように」とのプレゼンテーション付きだ。そのプラス効果で豚肉は格別になる(人による)。低コストで差別化を図るお手本だ。

実用性:★★★★★

生産性:★★

経済性:★★★

オシャレ:★★★

容器適性:★★

ユニーク:★★★★

○4季を8季に細分化した弁当

◆夏のよくばり天重

桶川マイン/埼玉県桶川市若宮1-5-2

423g/399円

内容:エビ天ぷら、アナゴ天ぷら、ショウガ天ぷら、カボチャ天ぷら、シシトウ天ぷら、ナス天ぷら、桜漬け、白飯。

見所:「初夏のよくばり天重」にかわって登場した「夏のよくばり天重」。同じ夏でも「初」がなくなったので、天ぷらの内容を少し変えている。「季節の初期→最盛期→次の季節の初期」という順にマイナーチェンジしているのだ。このシステムを継続するならば、次は「初秋のよくばり天重」になる。1年を4季ではなく8季に細分化することで、旬の食材をよりタイムリーに提供できる。マンネリ化を防ぐ意味でも、取り入れたいシステムだ。

実用性:★★★

生産性:★★

経済性:★★

オシャレ:★★

容器適性:★★

ユニーク:★★

○ライバルはハンバーガーセット

◆ハンバーグ丼

オオゼキ大森店/東京都大田区山王2-4-1

484g/380円

内容:キノコハンバーグ、ジャガ芋炒め、スパゲティ、ウインナー、グリーンリーフ、白飯。

見所:「ハンバーグ弁当」にとって最大のライバルは、豚カツ弁当でもエビフライ弁当でもない。実はハンバーガー店の「ハンバーガーセット」なのだ。ちまたのハンバーガーセットはハンバーガーにポテトとドリンクが付いて約500円だ。この「ハンバーグ丼」にはポテトは付いているので、一緒に120円のドリンクを買えば、スパゲティとウインナーの分だけお得だ。ハンバーグ弁当を売る場合、近所のハンバーガ店との差別化を明確にしよう。

実用性:★★

生産性:★★

経済性:★★

オシャレ:★★

容器適性:★★

ユニーク:★★

○ハンバーグに負けないトッピング

◆テリヤキメンチカツ

ゼストクック/東京都大田区蒲田7-68-1 サンカマタ内

350g/238円

内容:メンチカツ、ワケギ、テリヤキソース、マヨネーズ。

見所:ハンバーグのソースは、デミグラスソース、テリヤキソース、ポン酢おろしなど、バラエティー豊かだ。ところがメンチカツには豚カツソースくらいしかない。ハンバーグとメンチカツは、焼くか揚げるかだけの違いなのに、あまりにも不公平である。だがこの「テリヤキメンチカツ」には、テリヤキソースとマヨネーズとワケギがトッピングされ、和洋折衷の味付けと色彩が素晴らしい。これを契機にメンチカツもいろいろなソースで楽しみたいものだ。

実用性:★★

生産性:★★

経済性:★★

オシャレ:★★

容器適性:★★

ユニーク:★★★

○家庭で調理できない存在感

◆カレイの唐揚げ

東急ストア大森店/東京都大田区大森北1-6-16

244g/450円

内容:カレイの唐揚げ。

見所:体長が27cmもある「カレイの唐揚げ」。フードパックから尻尾やヒレがはみ出すほど大きい。当然、家庭用の直径26cmのフライパンや天ぷら鍋で揚げるのは不可能だ。だが、店には立派なフライヤーがある。業務用フライヤーならば、27cmどころか30cm以上のカレイだって揚げることができる。このカレイの唐揚げのように、家庭では揚げられない素材を揚げて、店の存在価値を示そう。

実用性:★★★

生産性:★★

経済性:★★

オシャレ:★

容器適性:★★

ユニーク:★★

○日中友好の架け橋

◆うどん、チャーハンセット

丸広百貨店上尾店/埼玉県上尾市宮本町1-1

440g/450円

内容:うどん、めんつゆ、チャーハン、ネギ、桜漬け。

見所:日本の代表的な麺類の「うどん」と、中国の代表的なコメ料理の「チャーハン」のセット。これまで、「うどん」の相方といえば寿司や天丼といった和食、「チャーハン」の相方には焼きそばやジャージャー麺といった中華料理が多かった。このように和食と中華料理がセットになった友好弁当は珍しい。最初は少し違和感があっても、交流しているうちになじんでくるもの。緊張が続く日本と中国の友好の架け橋となってほしいセットだ。

実用性:★★

生産性:★★

経済性:★★★

オシャレ:★★

容器適性:★★

ユニーク:★★

○100円ショップの楽しさ

◆コロッケドッグ・ソーセージドッグ・ダブルドッグ

マルエツ東門前店/埼玉県さいたま市見沼区大字東門前字谷中77-1

コロッケ120g・ソーセージ100g・ダブル110g/各100円

内容:コロッケドッグ=コロッケ、レタス、パン。ソーセージドッグ=ソーセージ、レタス、パン。ダブルドッグ=コロッケ、焼きそば、レタス、パン。

見所:この3種類ホットドッグは、ビニールで包装されず、むき出しの状態で一堂にボリューム陳列されている。包装されていないほうが、出来たてのフレッシュ感がみなぎり、手づくり感にもあふれている。しかも包装を省いたコスト削減効果で、どれでも1本100円という低価格を実現している。お客はこのホットドッグ売場にくると、100円ショップに来たように楽しくなり、次々とまとめ買いをしてしまうことだろう。

実用性:★★

生産性:★★

経済性:★★

オシャレ:★★

容器適性:★★

ユニーク:★★

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