メニュートレンド:酸辣湯うどん 「魚活鮮玄米挽うどん ときわ 森林公園店」
うどん文化の浅い北海道だが、数年前のブームを経て外食市場に定着しつつある。メニューも「きつね」や「たぬき」などの定番に加え、バリエーションが豊富になっている。そんな中、“和風だし”と“黒酢”で作る「酢辣湯うどん」を打ち出した「魚活鮮・名代玄挽うどんときわ」が脚光を浴びている。健康と美容に敏感な女性層から支持を集めている。
同店は、札幌4店舗ほか道内3店舗を展開する郊外型うどん店。昨年春のメニュー改正時に、黒酢ブームに乗り、「黒酢を使ったヘルシーなうどんはできないか」と開発されたのが「酢辣湯うどん」である。
女性をターゲットとする酢辣湯うどんは、まろやかな酸味と香りが食欲をかき立て、食後サッパリと新しい味わい。狙い通り20~30代の女性から人気を集めている。
味の決め手となるのは、黒酢と穀物酢の配合バランス。「このバランスに一番苦労した」と金谷雅人料理長。「当店のうどんは挽きぐるみ製法で、一般的なうどんに比べるとコシも香りも強い。その食感と味がマッチするよう、さらに昆布と数種類のカツオを合わせた、だしとの相性を熟考した」と言う。
最初は黒酢のみでチャレンジしたが、味と香りの主張が強すぎて失敗。次に穀物酢をプラスしてみると、今度は酸味が立ちすぎて失敗。失敗の連続から黒酢と穀物酢の黄金バランスを構築した。
また、本場の「酢辣湯」はスープに薄あんを引くが、あえて片栗粉は使わないのが同店流。金谷料理長いわく「黒酢のクセを片栗粉でとじると、味の広がりやサッパリ感がなくなるから」。
トッピング具材は、鶏肉、牛肉、豚肉、十数種類の野菜を組み合わせて試食。最終的に、豚ばら肉、シメジ、ナメコに決定した。それらからしみ出るうまみも味わいに一役かっている。
◆「魚活鮮・名代玄挽うどん ときわ 厚別森林公園店」/経営=(株)コロワイド北海道/店舗所在地=札幌市厚別区厚別東5条8丁目1─10、電話011・807・2010/営業時間=午前11時~翌午前1時/坪数・席数=115坪・130席/1日来店客数=平日200人、休日350人/平均月商=目標1500万円