メニュートレンド:IT企業と飲食店がコラボで社食セットを展開 「vege soup ebisu」
タニタ社員食堂のレシピ本が売れている昨今、ランチ市場の健康志向に拍車がかかっている。そんな中、IT企業のAvirity Informationは、社員の健康管理を考えて、東京・恵比寿に野菜スープ専門店「vege soup ebisu」をオープンした。メニューは日替わりスープ1種類だけだが、同社社員の他近隣会社員も集客するなど、ユニークな試みとして静かな話題となっている。
●異業種ならではのアイデアに期待
この試みは、同社が経営指導をしている「BAR OKU」のランチ企画と同社、奥野友美社長の「もっと野菜が食べたい」との意見を掛け合わせてスタートした。BAR OKUで平日ランチ限定で展開している。
メニューは、日替わりスープに十八穀米のおむすび、ご飯、小鉢がセットで500円、スープ単体だと350円。野菜摂取だけで考えるとコンビニ弁当や外食よりもコストパフォーマンスの高いところが魅力的だ。テークアウトのお客も多いという。
メニューを担当するのは、栄養士の資格を持つフード事業部・海老澤珠美さん。「わざわざ容器を持参してくださる方もいます。また、おむすびにしたのは、後で小腹が空いたときに食べやすくするためです」と話す。メニューは、その日ある食材で決定し、メーン具材となる野菜は、海老澤さんが自ら市場に足を運んでいる。
「市場の人から直接話を聞き、本当の旬菜を選ぶようになりました。また、半端で売れ残っている野菜などを買い取り、社員の健康だけでなく環境に配慮しています」と話す。
使用する野菜の量は、成人が1日に必要とする摂取量の3分の1を目安とし、化学調味料を極力使用せず、塩分やカロリー計算も行われている。
一方、野菜スープというシンプルな料理にアクセントを付けるのに苦労している。例としてスープの塩味は、味付けが難しい典型。さらに肉類はあまり使用しないため、コクを出すのに一苦労するという。ポイントは、なるべくうま味の出やすい皮の付いた野菜、ゴボウ、トマト、パプリカなどを少量の油でよく炒め、塩を加え、野菜の水分を生かしながら、うま味を出すこと。そして、熱湯を注いで、味を調節していく。すると、野菜にはしっかり味が付き、あっさりとした塩味の中にうま味とコクのあるスープに仕上がるという。
日替わりスープの種類はメーンとなる塩味をはじめ20種類以上。季節野菜と塩、カレー、味噌、豆乳などの調味を組み合わせている。
●店舗情報
「vege soup ebisu」 所在地=東京都渋谷区恵比寿南1-7-8/営業時間=ランチ・午前11時~午後2時、土・日・祝休/坪数・座席数=約14坪・23席
●愛用資材・食材:「野菜が美味しくなる!塩味ちゃんこ鍋 スープの素」 Avirity Information(東京都渋谷区)
野菜をおいしくたくさん、ストックに便利
同社が開発研究しているスープの素。発酵調味料、酵母エキスは入っているが、化学調味料はいっさい加えていない。同店でもそのスープを使用している。希釈濃度が8倍、小さいタイプでも1300ml以上のスープができる。市販されているスープの素は意外に容器が大きいとの女性の意見を参考にして、女性でも手軽に扱え、省スペースの形状となっている。