近代メニュー革新!繁盛レシピ研究所:らーめん えぞ梟「辛い肉ざる」

2014.03.03 420号 15面
らーめん えぞ梟

らーめん えぞ梟

鴨せいろヒントに豚バラ肉を活用

鴨せいろヒントに豚バラ肉を活用

 中華麺をざるそばの要領で食べる“ざるラーメン”。これを“鴨せいろ風”にアレンジした新メニューが札幌で大ヒットしている。「らーめん えぞ梟(ふくろう)」の「豚バラ入りざるラーメンセット」がそれだ。ざるラーメンは普通、ざるそばのようにカツオだしの効いた麺つゆを使うが、こちらは麺つゆに豚バラ肉を加えて煮立て、脂のコクとうま味を麺つゆに加味。厚みある温かい麺つゆがウケて、冬場も日販20~40食と好調な売れ行きを見せている。かたや夏~秋は、通常のざるラーメンに「タコ飯」や「きのこ飯」をセットにした「ざるラーメンセット」が大ヒット。眠っていたざるラーメンの可能性を通年に渡って開花させている。

 ●営業の概況:驚異的な反響 季節により麺つゆ変更

 同店は(株)アブ・アウトのフードコート事業。本店・札幌店の立地はJR札幌駅から約2kmの「アリオ札幌店」のフードコート内。開業は2005年11月。

 地元「寿味噌」を使った「昔の記憶に残っている味噌ラーメン」をコンセプトに、たっぷりの野菜を加えたヘルシーさを売り物にしたサッポロラーメンを販売。週末は約200人を集客している。

 ざるラーメンのセット内容は季節によって内容が変化。夏の冷たいざる・冬の温かく辛いざるを基本に、夏から秋は普通のざるラーメンにミニ炊き込みご飯を付けて「秋ざる」として提供。秋から春にかけては、豚バラ肉を煮込んだ温かい麺つゆに変更し、小さなご飯物や俵むすびなどとセットにした「豚バラ入りざるラーメン」として提供している。

 販売実績は日販20~40食。「季節メニューは普通、日販15~20食で大ヒット。なので驚異的な反響です」(畠中尚・商品開発部次長)と言う。

 ●特徴と料理:夏場は冷水で締める 冬場は人肌程度に

 ベースとなる麺つゆは、自店で製造。夏場はそのまま冷やして提供。秋から春の「豚バラ入り」の場合は、注文後、麺つゆを鍋に入れ、豚バラ肉(3枚・30g)を加えて煮立て、沸騰したら器に注ぐ。

 中華麺(生1玉130g)はボイル後、夏場は冷水でしっかり締めるが、「豚バラ入り」の場合は、温かい麺つゆとセットにするため、人肌程度に締めるという。

 ●発祥と展開:狙いは高齢者と子供 限定から通年に台頭

 「ざるラーメンセット」のメニュー化は2013年4月。「施設の客層には、濃厚ラーメンを苦手とする年配客や子供客も多いので、食感が軽いざるラーメンに着目しました。夏季限定を予定していましたが、意外に若者客からの人気も高く、日販20~30食も売れたので、継続を決定しました」(畠中氏)と語り、「寒い冬場は、もっとパンチが欲しいので、鴨せいろをヒントに豚バラ肉を活用。すると多い日は日販40食に達するほど大ヒットしました」と明かす。

 この2月から「豚バラ入り」をさらに進化させた「辛い肉ざる」をメニュー化。コチュジャンや数種類の唐辛子を加味したビリ辛味でざるラーメンの新たな可能性を探る考えだ。

 ●店舗情報

 「らーめん えぞ梟(ふくろう)」 所在地=札幌市東区北7条東9丁目2番20 アリオ札幌店内

 経営=(株)アブ・アウト/本社所在地=札幌市中央区南6条西1丁目5-3/営業時間=午前10時~午後9時、無休(施設営業に準ずる)/事業内容=「らーめん山頭火」など53店(国内26、海外27)を展開。フードコート業態の「らーめん えぞ梟」は 札幌店、旭川店、さいたま店の計3店。

 ◆エバラで再現!模擬レシピ 「ざるラーメン」でやってみよう!

 ○使用食材:「ざるラーメン」 喉ごしさわやか

 「ざるラーメン」を同量の冷水で希釈し、鍋で煮立て、豚バラ肉と好みの辛味調味料を混ぜて、つけ汁とする。

 香味油のコクとさわやかな喉ごしの冷しラーメン専用スープ。本醸造醤油をベースに、鰹節、昆布などの風味原料をたっぷり使ったコクのある味。中華麺をざるそば感覚で食べる、さわやかな喉ごしが楽しめるラーメンスープです。

 規格=ボトル1580g

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