シンポに聞く各地の焼肉市況 肉ブーム到来、好調続く焼肉

2015.01.05 430号 08面
素材感・新鮮度 そのままの「極上タン塩」

素材感・新鮮度 そのままの「極上タン塩」

スマホで店舗探しする人が増えている。繁盛店では集客にSNSを活用している。

スマホで店舗探しする人が増えている。繁盛店では集客にSNSを活用している。

 飲食店の中で群を抜いて焼肉業態は好調を維持している。赤肉はヘルシーで美容に必要、高齢者にも肉は不可欠という認知度の浸透。「肉を中心に提供する」店舗のアイデアと魅力で総合的に「肉ブーム」が到来。皆 で楽しく食べる「焼肉」は国民食として、そして世界のスペシャルディナーとして広がっている。無煙ロースターの約60%のシェアを誇るシンポ各支店の地域の焼肉店の状況、トピックスなどをまとめた。

 ●北海道:シンポ札幌支店 北海道発地域限定! 色、味、柔らかさ「タン塩イノベーション」

 北海道の焼肉店は、ファミリー向けの「焼肉でごはん」がコンセプトのロードサイド店が好調です。

 繁盛店の特徴は、「おいしくてお値打」。和牛カルビなら味・カット・盛り付けがしっかりしていて100g800円程度が当たり前のレベルです。

 昨年秋、日本のタン塩を変えるような北海道発地域限定「極上タン塩」が誕生しました。「極上タン塩」は仙台牛タンのように下地処理をして味に深みを持たせているので、レモン汁でタン特有の臭みを取り除かなくてもおいしく食べられます。素材提供型である焼肉業界にとって下地処理をした牛タンの変色は長年の課題でした。このイノベーションの競争優位性は『素材感、鮮度感』をそのまま残すことです。豊富な天然ミネラルを活用した加工処理を持って熟成タン塩の変色の問題も一挙に解決。まさにタン塩イノベーションです!

 店舗づくりでは、厨房からホール、厨房から宴会場へと最短距離で移動できる効率的な動線の店舗づくりが求められています。そのため厨房から2つのスペースへの動線をつくり、提供時間・下げ時間の最短を生み出しています。これはシンポ札幌支店の店舗づくりの基本です。また、超粉末状の烏龍茶を販売しています。1杯200円で販売した場合、粗利率95%です。粉末なので保管も楽で喜んでいただいています。

 ●東京:シンポ東京支店 焼肉とワインのマリアージュで女性のハート掴む

 東京は都心の焼肉店が好調です。キーワードは「女性」。女性に好まれる店舗づくり、メニューアイテム、サービス、コストパフォーマンスを揃え、「盛り方・見せ方・焼き方・包み方・食べさせ方」といろいろな組み合わせと商品アイテムで各店舗独自に研究創造されています。サービスの一環として専門の焼き手が着き、お客さまとのコミュニケーションで楽しんでいただく店舗もあります。また、「焼肉とワインのマリアージュ」を謳(うた)い、この肉に合うお勧めのワインを提供する店舗では女性のハートをつかみ客単価1万円超も現実です。

 郊外では、バイキング方式など4人家族で1万~1万5000円のコストパフォーマンスの高い店舗が集客率を上げています。また、2世代・3世代のお客さまが増えています。子どもや孫とテーブルを囲んで時間を共有できる焼肉は人気があり、また高齢者の方にも肉は健康で「力みなぎる料理」としての認識が高まっています。高齢者の方に心地よく焼肉を楽しんでいただくために掘りごたつの堀の深さ、座椅子にも繊細な心遣いが必要です。

 20年の東京オリンピックに向け、東京は急ピッチで開発が進んでいます。飲食店店舗で特に熱いのは銀座界隈です。訪日外国人の訪問率が高いエリアのため「きれいでおいしい焼肉レストラン」の出店が増えています。

 ●名古屋:シンポ名古屋支店 SNSを活用し集客アップ

 名古屋地区の焼肉繁盛店は客単価5000円~8000円、2000円~3000円の二極化が顕著です。もちろん客単価1万円以上で繁盛している店舗もあるが数店舗です。新規出店の際には、前記のどちらかの価格帯に絞らないと勝負が難しくなっています。

 メニューは「黒毛和牛種」をリーズナブルに提供する店舗が繁盛しています。「黒毛和牛カルビ」なら680円~880円(もみだれ込み100g)です。価格だけでなく、繁盛している店舗は、商品メニューのすべてにおいて、特化した特徴を持たせ「名物料理」としての知名度を確立されています。また、「名物料理」をつくり上げることが繁盛店への道でもあります。

 「名物料理」が認知されれば、若年層だけでなく高齢層までスマホで検索し、来店される時代です。繁盛店ではお客さまのアンケートなどでメアドを取得し、独自にキャンペーン告知を送信する方法が主流になっています。例えば、松坂牛A5を入荷したら「期間限定で格安に提供」などメール会員限定のサービスを実施するなどSNSを活用した情報提供が効果的です。

 ●関西・九州:シンポ大阪支店 地域特性を生かした戦術で勝負

 関西は、値段・満足度にシビアです。大阪・神戸・京都と地域ごとにそれぞれ異なる戦術で勝負しています。

 大阪でオーダーバイキング方式の大手チェーン店が好調です。近年は郊外店から都心駅前ビルイン型に移行しつつあり、都心型の店舗は20%程度売上げが高いです。食べ・飲み放題120分4000円という価格で「一腹の至福」を味わえるため、駅前の居酒屋を席巻しています。郊外店では食べ放題コースに50歳代ミドル・60歳代シニア・70歳代シルバーコースを設け、お値打ち価格で団塊の世代を取り込んでいます。名より実を取る大阪商人の商魂たくましさが感じられます。

 神戸は、観光地ということもあっておしゃれで本格的なメニューを提供するハイソサエティな都心型個人店が人気です。京都も古都の風情を生かし、町屋・古民家を改装した店舗が主体です。高級ブランド牛を炭火で焼く高級店が人気です。「土用の丑」には「土用の牛」弁当をテークアウトで販売する京都風戦術で特徴をだしている店舗もあります。

 九州は、北九州(福岡・佐賀)、中九州(熊本・大分・宮崎)、南九州(鹿児島)に焼肉文化圏は分かれてますが、都心店は佐賀牛・熊本牛・石垣牛など地元和牛ブランドを謳(うた)い文句に差別化を図っています。ファミリー層向けの郊外繁盛店に共通しているのはサラダバーが充実していることです。最近ではオーダーバイキング方式のチェーン店の出店ラッシュが続いており、それが刺激になり郊外店のサイドメニューは進化しています。

 ●~シンポ ナンバー1の理由~ 365日24時間のサポート体制、まるごとサポートで繁盛店へバックアップ

 シンポは、焼肉には欠かせない無煙ロースターを世界で初めて開発し、国内約60%のシェアを誇る。省エネを実現した「Jシリーズ」、新たな食シーンを創造する「ハイブリッド・スモークレス・クッカー」を次々に開発。しかし、ナンバー1シェアの理由はパイオニアブランドの商品力だけではない。「困ったときにいつでも連絡がとれるシンポ」としてメンテナンス受付365日24時間のサポート体制、新店舗計画のお客さまへの物件紹介から資金調達手段のお手伝い。たま、「まるごとサポート」として繁盛店を創造する目的で長年培ったノウハウを最大限生かし、設計デザイン、内装工事、設備工事、什器備品まで一括提案・提供を実施するなど焼肉店応援企業としての総合力こそナンバー1シェアの理由だ。

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