2026年6月度、外食動向調査 フードコンサルティング
●「55ヵ月連続」で昨対増収を達成
日本フードサービス協会が発表した外食産業市場動向調査によると、2026年6月度売上は、前年同月比103.3%となり、55ヵ月連続の増加を記録した。
6月は、祝祭日がなくまとまった連休とならないことや、例年に比べて雨天が多かったこともあり、どの業態もやや元気がなかった印象を受ける。客数は前年同月比0.8%増、客単価も2.4%増に留まった。
業態別では、前年対比を下回った業態は年明け以降、1月13業態、2月27業態、3月26業態、4月25業態、5月は11業態となり落ち着いていたが、一転して6月は49業態に急増し、過去1年間では落ち込んだ業態が最多となった。
●「スポットワーク」の内製化と「アルムナイ」活用事例
外食業界では、慢性的な人手不足や、タイミーなどのスポットワーク事業者へ支払う仲介手数料の高騰を背景に、「外部依存からの脱却=スポットワークの内製化」と、「退職者の即戦力化=アルムナイ採用」を組み合わせた自社主導型の人材確保策が進んでいる。
〈背景〉
(1)高額な手数料の削減(直雇用化)
外部プラットフォームを利用すると、概ね給与の30%前後の手数料が発生するため、自社で直接マッチングできる仕組みへ移行する動きが増加
(2)教育コスト不要
外食チェーンはオペレーションの共通化が進んでいるため、元従業員やグループ他店舗の経験者をアサインすることで、「教育不要で即座に現場に立てる」状態を作れるメリットがある
(3)「知った顔」の安心感
初対面の外部スポットワーカーに頼るよりは、自社文化やマニュアルを熟知している元スタッフ(アルムナイ)やグループ店スタッフのほうが、接客品質の維持や現場の負担軽減につながる
〈事例〉
(1)既存システム活用による導入事例(マクドナルド)
・既存の採用システム(Matchboxなど)を導入して、「自社専属のスポットワーク人材バンク」を構築する動きも広がっている
・特徴=一度自社で働いたOB・OGやOGの友人、一度面接を通った人材などを自社DBに蓄積
・運用=求人をまず「自社のOB・現役(内製)」に優先配信し、埋まらなかった分だけを外部サービスに流す階層型のアプローチをとることで、求人コストの最適化を図る
(2)自社アプリ開発の事例(すかいらーく「スポクル」)
・外部のプラットフォームに頼らず、グループ内の店舗ネットワークを活かした独自システムを構築・運用している代表例
・仕組み=ガスト、バーミヤン、しゃぶ葉など全国約2600店舗で利用可能な専用アプリを展開
・特徴=もともとは「他店舗へのヘルプ」を効率化するために始まったが、一般登録やOB・OG(アルムナイ)の受け皿としても機能。勤務の3時間前まで1日・短時間単位でシフト応募が可能
・効果=運営ブランド間でタブレット注文や片付けなどのルールが共通化されているため、他店舗や元スタッフであっても、事前レクチャーなしで即戦力化できる
(3)シフト自由化とダイナミック・プライシング(クリスプ・サラダワークス)
・カスタムサラダ専門店を展開する同社は、自社開発アプリを活用して、シフトの組まれ方そのものを「スポットワーク化」した
・仕組み=全店舗の空きシフトを自社アプリ上に公開し、スタッフやOBが自由に好きな店舗・時間のシフトへ応募できる設計
・特徴=シフトが埋まりにくいピークタイムや不人気な時間帯には、時給を自動的に上乗せ(ダイナミック・プライシング)して応募を促す
・効果=店長同士が連絡を取り合ってヘルプ調整をする手間がなくなり、学生バイトや卒業生が「空きコマ」や「近隣店舗」で柔軟に働ける環境を作った
(4)「バーチュアル社員制度」によるアルムナイ連携(スープストックトーキョー)
・退職者をブランドのパートナーとしてつなぎ留める、アルムナイ施策の先駆け
・仕組み=退職者に「バーチャル社員証」を発行し、試食会や社内イベントへの招待、全店での割引特典などを提供
・特徴=コミュニティを通じて、退職後も関係性を維持し、本人のライフステージの変化(転職、出産、復学など)に合わせて、スポット勤務や再雇用(カムバック)にスムーズにつなげている
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次号では、ポットワークの内製化(直雇用化)を進めるにあたって、注意すべき労働基準法、社会保険、給与即時払いの労務管理上の注意点について取り上げたい。















