外食最前線:叙々苑が挑むステーキ業態 3種ソースで味わう新境地

2026.10.05 572号 16面
別皿で添えられるソースをつけて一切れずつ食べるステーキの新スタイル

別皿で添えられるソースをつけて一切れずつ食べるステーキの新スタイル

3種のソースは左から、ステーキ用に開発したというニンニクを利かせた特製ソース、岩塩とわさび、大根おろしポン酢ダレ。「和牛サーロインステーキ150g」(6,300円・以下税込み)、「和牛ヒレステーキ150g」(9,800円)、「国産牛サーロインステーキ150g」(5,400円)など、叙々苑ブランドのステーキ専門店としてはリーズナブルな価格設定

3種のソースは左から、ステーキ用に開発したというニンニクを利かせた特製ソース、岩塩とわさび、大根おろしポン酢ダレ。「和牛サーロインステーキ150g」(6,300円・以下税込み)、「和牛ヒレステーキ150g」(9,800円)、「国産牛サーロインステーキ150g」(5,400円)など、叙々苑ブランドのステーキ専門店としてはリーズナブルな価格設定

「ビーフシチュー」(2,300円・以下税込み)、「牛肉のカルパッチョ」(2,200円)などサイドメニューも充実しており、焼肉店スタイルでゆっくりと楽しめる

「ビーフシチュー」(2,300円・以下税込み)、「牛肉のカルパッチョ」(2,200円)などサイドメニューも充実しており、焼肉店スタイルでゆっくりと楽しめる

おなじみの「叙々苑サラダ」はステーキとも好相性

おなじみの「叙々苑サラダ」はステーキとも好相性

店内は落ち着いて食事が楽しめる雰囲気

店内は落ち着いて食事が楽しめる雰囲気

●「ステーキ+副菜」の焼肉店流

焼肉の外食市場が約1兆円規模に達する一方、ステーキはその約1割とされ、市場規模には大きな差がある。こうした中、高級焼き肉ブランドを代表する存在の「叙々苑」がステーキ業態に進出し、注目を集めている。叙々苑は1976年4月に創業し、今年で創業50周年を迎えることから「これまでに培ってきた肉の目利きや仕入れ、調理の技術を生かした新しい挑戦」と同社企画営業部松崎彰部長は語る。

同社は25年に開業した両国店、麻布十番店に続き今年8月に3店舗目の「叙々苑ステーキJJ 横浜ハマボール店」をオープンし、ステーキ業態の本格展開に乗り出した。「叙々苑ステーキJJ」で特徴的なのは、ステーキに添えられる3種のソースだ。同店のステーキは別皿におろしポン酢、岩塩&わさび、特製ソースが添えられていて、一切れごとに異なる味わいが楽しめる。タレにこだわる焼肉業態らしい提案である。

「ごま油と唐辛子がないのが叙々苑との違い。特製ソースはニンニクを利かせているが、焼肉のタレとはまるで違う味わいを打ち出している」と松崎部長は言う。

また、ステーキのおいしさを左右するのは牛肉の品質と焼きの技術だが、長年にわたり焼肉で培ってきた叙々苑の仕入れ力と調理技術がステーキでも強みを発揮する。

多彩なサイドメニューももう一つの魅力だ。副菜をバランスよく合わせて楽しむ焼肉のスタイルを踏襲し、主役のステーキを引き立てるサイドメニューを豊富に揃えた。ステーキ業態でありながら「創業者の新井会長の思いを込めた」(松崎部長)と、キムチ、叙々苑サラダをメニューに用意しているのも叙々苑のDNAを感じさせ、叙々苑ファンにとってはうれしい。

利用シーンは「叙々苑を利用したことのある方が『焼肉ではなくたまにはステーキにしてみようか』と選ぶ例が多い」(松崎部長)ようで、「あの叙々苑のステーキ店!?」という意外性に加えて「叙々苑ブランドなら間違いないだろう」という信頼感もやはり大きい。価格帯が「一流ホテルの鉄板ステーキ店よりは抑えめ。“少し特別な日”に気軽に利用してほしい」(同)と、ステーキ専門店としてはリーズナブルなのも魅力だ。

「焼肉トラジ」も、焼肉とステーキを両立させた新業態「焼肉牛印」に本腰を入れるなど今、焼肉業態がステーキに乗り出す背景にあるのは、サシの魅力を味わうステーキは和牛本来の持ち味を生かしやすい点だろう。和牛のブランド力を生かせば、ワインとの組み合わせやインバウンド需要による客単価の向上も期待できる。円安で輸入牛の仕入れ価格が上昇する中、和牛はA5ランクを含め相場が比較的安定している点も、ステーキ業態への進出を後押しする要因と考えられる。

●店舗情報

「叙々苑ステーキJJ 横浜ハマボール店」

店舗所在地=神奈川県横浜市西区北幸2-2-1ハマボールビルディング2階/坪数・席数=52坪・50席/営業時間=11時30分~21時30分。無休

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