外食の潮流を読む(136)日本発・ドーナツ店チェーンが世界初の商品開発で勢いつける

2026.10.05 572号 10面

ドーナツチェーンの世界では、近年トレンドが活発に動いている。まずハワイの定番で、穴が開いていない“ふわもち”の揚げ菓子「マラサダ」。2~3年前には「生ドーナツ」。今年6月から7月末まで販売していた『ミスタードーナツ』の「もっちゅりん」。これは大行列をつくって社会現象となった。

そして、この8月19日から、『JACK IN THE DONUTS』より「DOGLE」(以下ドーグル)が発売されている。これは、「BAGEL」と「DONUTS」を掛け合わせたもので「世界初」を標榜する。同店を展開するのは株式会社ビッグクリエイト(本社/東京都港区、代表/北浦大作)。現代表の北浦氏が2011年に立ち上げた“日本発”のドーナツショップで、「この市場は、1つのブランドの寡占傾向にあって、だからこそ新しいマーケットを開拓できる」という発想でスタートした。このトップブランドと見事に差別化して、現在35店舗を展開している。

同店の商品ラインアップの特徴は、前述の「マラサダ」に「生ドーナツ」のアレンジを加えた「生マラサダ」をはじめ、オランダやフランスなど各国のスイーツをイメージした「世界のドーナツ」を筆頭に健康志向に訴求する「ヘルシードーナツ」など、カテゴリーが多彩なこと。これがドーナツチェーンの中で後発ながら、確固たるポジションを築き上げているポイントである。

さて、8月3日に同社の東京・有明の店舗で「ドーグル」の記者発表が行われ、代表の北浦氏は、「ドーグル」を開発した思いと、有望性について語った。

「半年前から『新商品ができないか』と、検討するようになった。ベーグルが2年前からトレンドになっているが、ベーグルの難点は購入した翌日に食べると固くなるということ。これを解決するために、かなりの水分を使用して生地の加水率を73%とし、翌日食べても“もちもち、しっとり”の食感を楽しむことができるようにした」。

筆者は、この記者発表の会場で「ドーグル」を体験した。確かに“もちもち、しっとり”が表現されていて、「新しさ」を感じた。スイーツ系だけではなく、惣菜を挟むという、ドーナツチェーンにとって新しいカテゴリーも生み出した。

8月19日から発売している「ドーグル」は、シンプルな「グレーズ」300円(税込、以下同)、「メープルクリームチーズ」380円、「ブルーベリークリームチーズ」400円、「チーズポテト」420円の4種類。これらに続いて、第2弾、第3弾という形で、商品ラインアップを展開する意向だ。

新規出店では、今年7月に初の海外出店となるフィリピンに出店。商業施設の中で行列をなし、2号店、3号店の計画も進められている。日本国内では年内に6店舗の出店が予定されていて40店舗を超える。このたびの「ドーグル」は、これからの店舗展開に勢いをつけることであろう。

(フードフォーラム代表・千葉哲幸)

◆ちば・てつゆき=柴田書店「月刊食堂」、商業界「飲食店経営」の元編集長。現在、フードサービス・ジャーナリストとして、取材・執筆・セミナー活動を展開。

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