料理人の教育法(8)レストランJ・植木将仁シェフ

2001.06.04 229号 25面

「料理人にとって重要なことは本質を体で覚えること」と語るのは、東京・表参道でレストランJを経営する植木将仁シェフ。

「どの料理人も同じことをいうと思うけど、まずは整理整頓。そこからステップアップするとまかない」

植木シェフは若手の素質を判断するために必ずまかないを作らせている。

「インスタントや化学調味料に慣れてしまうと料理の本質を身につけられず、味がぼやけてしまう」その修正のためにも、まかないを作らせるのだ。

「まかないを作らせると、それまでの食生活がわかる」と語る植木シェフは豊富な食材に恵まれた金沢で育った。だから、彼は素材の重要さをよく知っているのだ。自分から積極的に仕事に入っていくには本質を理解していることが重要であり、まかないを作ることは素材の本質を知る良い機会なのだ。

「上を見て、より困難な道を選べ」がポリシーの植木シェフは若手の積極的な姿勢を支持している。料理が好きで真剣に仕事へ取り組んでいる者に指導すると反応を返してくる。彼はその意識が必要だと主張する。

「レストランJ」ではハウスミーティングを頻繁に行うが、スタッフに議題を提案させるなど積極的な参加を促す。アグレッシブな彼の個性は店の運営や若手の教育にも反映されている。

◆「レストランJ」=東京都渋谷区神宮前AKビル一階、03・3796・1144

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