風光緑空・オープンエア店舗 「ビストロ・ダルブル白金台店」身近な自然と開放感

1994.10.17 62号 2面

青山、渋谷にもチェーン展開するビストロ・ダルブル白金台店(東京都港区、03・3446・4855)は、今年6月、以前からの念願であったオープンエアのテラス席を設けた。

「オープンして一一年目になるが、フランス料理をアットホームな雰囲気と味、そしてボリューム感が外国人に受けた」(大石智店長)

ほとんど固定客で七割強を占めていたが、バブル崩壊後、状況は一変し、三割に転落。今は、日本人のビジネスマン、OLが大半で、年齢層が三〇代前後。今年初め頃から女性が男性を越える構成比となった。

客層の変化から、徹底したメニューと価格の見直しを行う。結果として、セットメニューの強化と同時に、価格を七〇〇〇円から四五〇〇円にダウン。アラカルトメニューも八メニューに絞り込んだ。

価格ダウンにより、客の来店頻度増と同時に、新しい客も増える効果を得た。また、外国人が大多数の時と違ったポーション、盛り付けでコスト削減にも繋げる。

「あくまでも食事へのサポート」としながら売上げの二割を占めるドリンクだが、ワインなど価格帯に幅をもたせ「お客の選べる喜びを広げた」とする。

新設したテラスだが、草花に囲まれたオープンエア。席数はマキシマムで一八席だが、身近な自然と開放感から、今夏の暑さにもめげず、四〇%の売上げアップとなった。ビールの売上げ貢献度も高い。

「テーブルに蟻が上がって来ても、庭の草木とマッチすると感激する人もいました」。都会では、自然をじっくり味わう機会も少なく、こうした小さな自然も楽しい憩いの場となるのだ。

スタッフは、厨房三人、ホール四人でテラスを含め、三二席に対応する。オープンキッチンのため、厨房との距離感がなくなる。「各人の個性で客に対応し、人間味あるアットホームな雰囲気を出したい。フランス料理の素材の説明も、身近な中華や和食に置き替え説明することもある」。

冬のテラスは、経験はないが、「お客と一緒に店づくりをしたい」と楽観的だ。

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