スペイン料理味の探検 カスティーリャ地方-有名な子豚の丸焼き
首都マドリードを中心とするメセタと呼ばれる中央高原は、大まかに分けるとエストレマドウーラ。カスティーリャ・ラ・ヌエバ、カスティーリャ・ラ・ビエバ、レオンの四つの地域から成る。
カスティーリャ・ラ・ヌエバ地方は、スペインの首都マドリードがある。マドリードは地理的にも料理面でもスペインの中心地。ここから放射状にのびた道路がスペイン各地に通じ、新鮮な海産物や野菜、パン、ワインがマドリードに運び込まれてくる。それだけにマドリードはスペイン各地の料理を食べさせるレストランが多くある。首都マドリードのあるカスティーリャ・ラ・ヌエバ地方の名物といえば、牛肉、仔羊、仔豚などの焼きもの料理。とくにコチニーヨ・アサドとよばれる仔豚の丸焼きは有名。なかでもセゴビアの丸焼きは生後一五日から二〇日の三~四㎏の仔豚をローストする。こってりとした料理の代表はマドリード風コシド。コシドというのは、野菜と牛肉ともも肉の骨、それにチョリソ(スペイン風スパイス・ソーセージ)で作る鍋料理でマドリード風シチューとも言われている。コシドは地方によって使う材料が違いいろいろの種類があるがマドリード風コシドは、スペイン各地のコシドのよさを総まとめにしたもの。
カロス・ア・ラ・マドリエーヌは、マドリード風の牛もつのシチューで、牛の胃袋に豚足、ロンガニサ腸詰め、血入り腸詰めを煮込んだ料理。ラ・マンチャはセルバンテスの「ドン・キホーテ」で有名だが世界でも第一級のサフランの産出地として知られている。
セゴビアから北側は羊の放牧が盛んで、仔羊のロースト料理が多い。セゴビアの西は「もつ」を使ったポークソーセージ入りの米煮込みや各種の煮込み料理が特徴。ガーリック・スープもカステーリャ地方が本場。生ハムをベースにした15世紀風カスティーリャ風スープ(ソパ・カステリャーナ・デル・シグロ・キンセ)もおいしい。地元の生ハム(ハモン・セラーノ)は天下一品。
ポルトガルと接するエクストゥレマドゥーラ地方の山岳地方ではスペイン最高のチョリソ・ソーセージが作られるがその過程でできるラ・プルエバは、エストゥレマドゥーラの料理の中で最高といわれている。
このほかラ・マンチャのチーズ類、アランフェスのいちご、アーモンドの粉と砂糖を練って作ったトレドのマナパンが有名。